2019年12月6日金曜日

勝山京子「実感のなきコラーゲン冬うらら」(「山河」第361号)・・・



 「山河」(代表・山本敏倖)誌で2年間、「チャレンジ俳句」のコーナーをやらせていただいたが、今号で最後である。本号の課題は、「コラーゲン」を詠み込み、かつ冬季であること。その天地人に選んだ句の鑑賞を以下に掲載しておこう。その他の句についての、それぞれのコメントは割愛して句のみを挙げておきたい。

★山河チャレンジ俳句 ―(コラーゲン・冬季)選句評・・・・・・

  コラーゲンもの忘れして冬に入る       大井恒行(本号の題に一句献上)

 コラーゲンというと、サプリメントばかりを思い浮かべてしまうが、ものの本によると体の主要な構成要素で、細胞同士を結び付ける働きをしている蛋白質、哺乳類では全蛋白質の4分の1を占めているらしい。食品では魚の煮凝りなどに多く、温水で処理するとゼラチンになる。食用の他、様々な用途があるという。
天  実感のなきコラーゲン冬うらら              勝山 京子
コラーゲンが不足すると肌荒れを起こすことも。艶のある肌と健康を保つためには重要な物質で、ビタミンCはその生成を助けるという。「冬うらら」は太陽たっぷりの冬晴れ、この温みにひたればさらに健康にいい。特別にサプルメントとして飲んでもいないので、実感はないが。
地  コラーゲンの話題諤諤鮟鱇鍋        新江 尭子
 肌にも健康にもいいというコラーゲン。さもらん。その話題で諤諤というのが面白い。女性ならではの尽きない話題だ。鮟鱇鍋をつつきながらなら、なお、そうだろう。さぞ、身もこころも暖まる気がする。
人  コラーゲン聞き飽きていま日向ぼこ     田中 雅浩
 例えば、地に選んだ前掲句の話題諤諤に聞き飽きてきて、やれやれ、よほど日向ぼこの方が体にも良さそうだ、と思う。ゆったりした時間を過ごしている表情が目に浮かぶ。   

  コラーゲンを気にする齢雪女郎       岡田 恵子
         笑い上戸炬燵で増やすコラーゲン      金澤 直子        
   鮟鱇が垂らす涙とコラーゲン        太田 里子
   煤逃やコラーゲンが足りなくて        森 さち
   コラーゲン足元の霜見えますか       吉田 慶子         
   流氷にコラーゲンの群れ いるらしい    高梨よし子
   隠遁に良く効く鮫のコラーゲン       土屋 秀夫
   星月夜コラーゲン注入就活か        山口 壽子
   闇汁の底で鎮もるコラーゲン        福永のたり


  差し向いコラーゲン飲むちゃんちゃんこ   久田浩一郎
   河豚漁の投機話やコラーゲン         広本 勝也
   コラーゲン補う顔や冬薔薇         次山 幸子
   花温室やひと匙テロにコラーゲン      国藤 習水
   女子鍋の摘みは決まりコラーゲン      高瀨多佳子         



撮影・染々亭 呆人 ↑

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