草深昌子第三句集『金剛』(ふらんす堂)の集名については、
「金剛」こと金剛山は、吉野のある奈良県と、私が生まれ育った大阪府の境に立つ主峰です。なつかしさが重なり、句集名としました。
と「あとがき」にあった。 略歴に「雲母」「鹿火屋」「晨」「ににん」を経て、「青草」主宰とある。
句はいずれも端整。いくつか句を以下に挙げておこう。
富士山にそむきまむきや寒鴉 昌子
赤子はやべっぴんさんや山桜
冴返る鯉の鯰に似てゐたる
廃校の時計の生きてさくら草
水馬かまひにまたも水馬
どこにでも日輪一つあたたかし
壁蝨出るぞ山蛭出るぞ鉄砲打
草深昌子(くさふか・まさこ)1943年、大阪市生まれ。
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