昨日、10月14日(月)は第8回ひらく会(於:府中市市民活動センタープラッツ)だった。台風一過の青空も一日で雨模様の空に逆戻り。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
星月夜うっすら不機嫌に帰る 中西ひろ美
ひも状のものとすみなす良夜かな 鈴木純一
小さき蝶飛び立つ萩の一眼や 救仁郷由美子
三世草木照らして十五夜のぼりくる 成沢洋子
破れ蓮に猫ゆまりして来て見つむ 渡辺信明
灯に映えて影龍となる菊人形 大熊秀夫
街に三叉路三島忌を思えらく 大井恒行
★閑話休題・・中西ひろ美「貝のなかの貝なので口をあかない」(「垂人」第36号より)・・
中西ひろ美つながりで「垂人」第36号(編集・発行 中西ひろ美、広瀬ちえみ)を紹介する。俳句、短歌、歌仙、エッセイなど内容は盛りだくさん。鈴木純一は「垂句摸魚」「垂句摸月」「垂句摸華」と題して、各人同号の発表の句評を入れている。ここでは歌仙「長春歌」の初表と裏の初句を挙げておこう。
長春花アバンギャルドな赤い爪 ダークシー美紀
穀雨にまつげぬらす人形 佛渕雀羅
踊り手は朧おぼろの中を来て 小池 舞
屋台の灯遠ざかるまま 中西ひろ美
竜宮の月を知らない魚とゐる 鈴木純一
霧たちそめし沼のほとりに 渡辺信明
ゥ 小鳥くる機嫌よろしき次の家 佐々木笑女
以下には、同号より一人一句を挙げよう。
時の日やAはすでにAでない 野口 裕
昼顔のにりんは姉妹乳房向け 坂間恒子
のほほんとめるくまーるや春ともし ますだかも
振りかえるたびに沼あり光るなり 髙橋かづき
瓦礫から楽譜ママに会えたような 広瀬ちえみ
待つときの顔のちぐはぐ花蘇枋 河村研治
見る人も変はりて崖の櫻かな 中西ひろ美
のらぼう菜あらふ厨の渚にて 渡辺信明
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