2021年8月1日日曜日

清水右子「しやぼん玉吹く走るすべて忘れる」(『外側の私』)・・・


 清水右子第一句集『外側の私』(ふらんす堂)、帯文は小川軽舟、


  夕立に渋谷のしゆんとなりにけり

 東京で暮らすとはどういうことなのか、右子さんの俳句は自分自身の感覚を頼りにそれを一つ一つ形にしてきた。自然は乏しくても季節はめぐる。人間関係は薄くても人間はたくさんいる。夕立ですべてが一斉にしゅんとなった渋谷に不思議な解放感がある。


 著者「あとがき」に、


 この句集には、私が俳句を始めた2012年から2020年までの句を収めました。思いがけず俳句と出会い、季語の魅力や言葉のもつ力に驚き戸惑いながら作句を続けてきました。俳句を通して世界や自分に触れる体験が私の支えになっていると感じます。


とあった。集名に因む句は、


  外側の私を流すシャワーかな    右子


だろう。ともあれ、集中より、いくつかの句を以下に挙げておきたい。


  永き日の素饂飩やはらかしさみし 

  白バラバレエシューズは夜古ぶ

  鬱屈の形たとへばラ・フランス

  蛍光灯と黴のトランクルームかな

  遠泳にからだの長くなりにけり

  クレーンゲームに人形の腹掴む夏

  選択肢斜線に消しぬ秋日和


 清水右子(しみず・ゆうこ) 1978年生まれ。  



 撮影・鈴木純一「佐瑳餓泥(ササガニ)の首をかしげた面ざしは」↑

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