「マーゴⅡ〈MargoⅡ〉」(新宿句会)、「あとがき」の中に、
(前略)本句集のタイトル『マーゴ』(Margo)はソノコさんの「孫を慈しむような心で、また次世代に希望を託したい」との趣旨によるネーミングである。Margoには「緑」という意味があり、「俳縁」や「酒縁」に繋がる意味も内包している。
新宿句会世話人 朝吹英和
とある。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
天狼星や距離無限なる父の膝 海野弘子
しばし青をつくして暮るる春の海 藪原保子
月浴びて湯を浴びて又月を浴ぶ 大倉ソノコ
秋の虹船客名簿にチャップリン 鈴木幸生
シーキャンドルの白き骨格いわし雲 和久井幹雄
猫とゐて晩秋といふ日の光 木村かつみ
炉を前に少し開けたる障子かな 吉岡眞理子
ハンカチの折目きっちりテレワーク 桝井秀花
下駄箱のティラノザウルス星流る 石井写洛
行く春も来る春もなく時計台 石川雪餅
賑わいも掻き集めたる酉の市 大和雪妓
五月闇ピアノのうえの置手紙 西田惹句
意表衝くロングシュートや寒明くる 朝吹粋酔
★閑話休題・・・春風亭昇吉「スイカバー隣に君のいない海」(プレバト・炎帝戦より)・・
頃難(コロナん)のお蔭で、今年一杯は休会になる公算の「遊句会」の若きメンバー・春風亭昇吉が、プレバトでは、瞬く間に特待生になったと、喜んでいたが、そう世間は甘くない。ゴールデンタイムのバラエティ番組であれば、なおさら句が巧いだけでは、いくら夏井いつきの目に留まったとしても、通用しない。とはいえ、愚生も知らされていなかったのだが、テレビ画面によると、来年5月には真打に昇進するらしい。しかも、来る9月9日(水)重陽の節句には、国立演芸場で昇吉の会・独演会が開催されるとか・・・。期待にたがわぬ進展ぶりである。しかし、予選落ちが悔しいと泣いていた彼も、テレビで見る限り、次点で敗者復活戦あり、しかも、夏井いつきによる添削は、今回も無し。愚生に言わせるとなかなかの健闘ぶりである。これもあれも、これまでの遊句会における数年間に及ぶ俳句修業が実っている証拠だ。勝負事は負ける時もあれば、勝つときもある。今後のさらなる健闘を祈る。
撮影・芽夢野うのき「白業の叶うかこぼれつづけ萩」↑
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