2020年7月1日水曜日

庄司久美子「よぢつてねぢつて瞑想の山椒魚」(『天泣』)・・




 庄司久美子第一句集『天泣』(文學の森)、髙橋将夫「序に代えて」の冒頭に、

 庄司久美子さんの句歴は「槐」創刊の平成三年以前に遡るが、今回の第一句集『天泣』の編纂にあたっては「槐」同人になった平成二十年以降の作品から三〇〇句が収録されている。
 一読して、ドレスから普段着に替えてくつろいで楽しめる句集と感じた。日常を素材とした句が主流で、とりわけ俳味豊かな取合せに作者の感性が発揮されているのが印象的である。

 とある。また、跋文の中島陽華「久美子さんの『天泣』上梓を祝して」には、
 
 久美子さんは、創刊主宰の頃からの同人で句歴も長い。鋭いセンスの持ち主でもあり、一風変わった魅力のある句を提供してくれる。

 ともあった。創刊主宰とは岡井省二。集名に因む句は、

  天泣の大地七色龍の玉     久美子
  天地をいぶる天泣笹子鳴く

 であろうか。ともあれ、以下に集中よりいくつかの句を挙げておこう。 

  初蟬やむらさきいろの遊び紙
  初鴉落款押してをりにけり
  大波をのみこむ鯤や神渡
  宇宙芋とはむかごかな呆気者
  天狗風円陣を組む春の鴨
  双頭の鷲の椅子なり夏の雲
  大楠の魂と園児と日向ぼこ
  鬼百合よ天の磐船交信中
  わんさかと話ありさう葱坊主

 庄司久美子(しょうじ・くみこ) 昭和25年兵庫県豊岡市生まれ。




★閑話休題・・・自己紹介俳句「梅雨さなか大井恒行(おおいつねゆき)恥しげ」(府中市生涯学習センター「俳句入門講座第1回」)・・・


   7月1日(水)、半夏生、府中市生涯学習センター「俳句入門講座」第一回(上掲写真)だった。例年と違って、市の広報などには載らず、生涯学習センターのホームページの広告、人数も先着12名までだったので、ひょっとしたら誰も来ないかも知れないと思って、出かけて行った。担当者が以前の講座(高田正子)の受講者の方々にダイレクトメールなどして下さったらしい。愚生にとっては予想外の9名の方々が申し込んでいただていた。一回目は、リサーチのつもりもあって、最初に、5・7・5でなんでもよいから、自分の名前を詠みこんで、自己紹介俳句を作ってもらった(このアイデアは武馬久仁裕の『俳句の授業』から拝借した)。
 一応、レジメは、愚生の『俳句 作る楽しむ発表する』(西東社・絶版)と『教室でみんなと読みたい俳句85』(黎明書房)をテキストにごく簡単なものを作成した。今回で、大よその方々の俳句歴も知ることができたので、第二回からは、もう少し、実践中心に練り直そうかなとも考えている。コロナの関係で、密にならないよう、テーブルに一人、窓とドアは開け放し、マスク着用だったが、2時間講座と短い時間ながら、3回の休憩をはさんだ。
 皆さん、よくお付き合いいだだきました。アリガトウ!



撮影・鈴木純一「捨姥待月(としおいしははをすてんとつきをまつ)」↑

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