2022年6月17日金曜日

武藤幹「人混みに独りを創る日傘かな」(現代俳句協会「金曜教室」)・・


          


  本日6月17日(金)は、愚生が担当する現代俳句協会「金曜教室」の第1回目であった。今後一年間、第3金曜日の予定である。いつものことながら、最初の顔合わせ句会のときは、自己紹介俳句を即吟で一句、自身の名前を詠み込んで作っていただき、それを初めて会う方々の自己紹介に繋げている。当然ながら、愚生も下手な見本を「夏よ健康寿命平均を越えオオイツネユキ」として、提示した。愚生の予定では、当初、2句持ち寄りの互選はなかったが、参加には、当日2句持参とあって、素早く、協会の方々の清記の協力があって、急遽、互選を行うことにした。ただし、合評は無く、愚生の全句寸評で時間一杯を使った。互選をすれば、どうしても獲得点数が気になっしまうようで、タイトルにした句、「人混みに独りを創る日傘かな」が最高点を獲得した。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


  グラビアの少女流れる夏の川        川崎果連

  闇動かすか回廊の山棟蛇          久野康子

  万緑の中活き活きと老いるかな       村上直樹

  泣きにいくハンカチ持って芝居小屋     岩田残雪

  鍼灸師蘊蓄ぽろり汗ぽろり         宮川 夏

  肺活量増やし玟瑰咲いている        森須 蘭

  梅雨晴間三行半で書く葉書         鈴木砂紅

  言語野から堕ちて喃語を喋る朱夏      石川夏山

  夕立来てあつと言ふ間に我を消す      白石正人

  老いらくの恋五月雨を駆け抜ける      武藤 幹

  バラライカのなかも三角五月闇       林ひとみ

  梅雨の薔薇咆哮したきときのあり      山﨑百花

  クラゲバー水槽覗く妖しい目        杦森松一

  真っ直ぐに天仰ぐ君たちあおい       植木紀子

  参道の夜店に集い我忘れ          高辻敦子

  駅ピアノひと夏の恋吾もあり        多田一正


 次回7月15日(金)の宿題は、主義主張は別にして、無季の句を2句持ち寄りです。よろしく、お願いいたします。


     芽夢野うのき「仮面うつくし土曜の花は海紅豆」↑

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