2014年8月16日土曜日

谷川晃一『これっていいね雑貨主義』・・



俳句つながりで紹介するのだが、谷川晃一には手作りしたような2冊の句集がある。
句集『地名傷』と句集『異人伝』。本著『これっていいね雑貨主義』にも自身で雑排句集として俎上にあげている。

    ハンペンを二つに切ってプノンペン     晃一
    股倉にチャック噛みつくカムチャッカ
    赤毛のアンもんどりうってモンドリアン
    ロダン考える人 仏壇死んだ人

愚生との不思議な縁にふれると、「豈」の表紙絵に、風倉匠が亡くなったのちも彼のデカルコマニーを使い続けていて(風倉夫人の好意による)、60年代初頭からの風倉匠の友人の一人が谷川晃一であった、ということである。
一昨年であったか、それとは知らずに、たまたま「豈」を贈呈したところ、風倉匠のことが懐かしいと便りをいただいたのである。
愚生は行けなかったが、最近では2月9日~6月1日まで「これっていいね雑貨展」(谷川晃一雑貨コレクション&作品)が三島の「大岡信ことば館」で開催されていた。
本著の「雑貨とはなんだろう」の項の末尾には以下のように述べられている。

 大事なことはその雑貨が「好きかどうか」「気に入っているかどうか」だけなのです。私は絵描きですが芸術にこだわってはいません。長年、雑貨を集めてきたのも、芸術病から解放されていたいからです。「生活雑貨」という言葉がありますがいい言葉です。これが「生活芸術」なんて気持ちが悪いと思います。本書が芸術病から解放される処方箋になれば幸いです。


もちろん、中では雑貨も芸術である、とも書かれていたり、雑貨のありように時代の変遷やこれまでの男権社会の世界を見、、家族の変容をみたり、フェニミズムをみたり、雑貨を楽しみ、遊ぶ視点もうかがえる写真ふんだんの、見ているだけでも、おのずと興味がわく本であった。
 
ツリガネニンジン↑

               

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