2018年2月20日火曜日

川島一夫「働いて放射能死や冬薔薇」(『人地球』)・・



 川島一夫句集『人地球(ひとちきゅう)』(現代俳句協会)、著者「あとがき」には、

 句集題名の「人地球(ひとちきゅう)」は永遠のテーマである。
 また俳句は現状を維持しつゝ進展するのが望ましいのは言うまでもないことだが、ただ一つ忘れてならないのは俳句及び句集がいつか一般読者に浸透し、読まれるということである。その為には若干の自己変革が必要ではないだろうか。今後に期待したい。

とあり、その姿勢はどこまでもポジティブである。ただ川島一夫の同志的俳人だった人たちの幾人かは無念にもすでにこの世にない。それらの句は、

  梅雨間近雲疾くして三郎死す       一夫  
  とまらない地下鉄があり嶺夫の死
  もう八十一と桜待たず亮氏死す
  われの手を引き斌雄の大銀河

句の人は、川崎三郎であり大橋嶺夫であり、島津亮であり、中島斌雄である。しかし、まだ俳句のために川島一夫には残された仕事がある。
ともあれ、いくつかの句を以下に挙げておきたい。

 スイッチョ轢かれ青濃しわが地球
 落葉が奏でる野どこにも人住んで
 杖持っていざる母の肩つめたい
 ブザーつけたランドセル売れ雲赤い
 人間に退化のシッポ彼岸花
 ゴメンネと餓死えらぶ人いぬふぐり
 若葉青葉照るだけ照って被曝の地
    妹から電話 
 わたしら毎日フクシマと新米
 引力は宇宙のポエム青ぶどう

川島一夫(かわしま・かずお)昭和8年生まれ。











  
  

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