2020年11月20日金曜日

金子兜太「青春の十五年戦争狐火」(「俳人『九条の会』通信」第23号より)・・・



 「俳人『九条の会』通信」第23号(俳人「九条の会」事務局)、それには、


 二〇二〇年の「新緑の集い」は四月二六日に北とぴあで開催される計画でした。しかし新型コロナウイルスが蔓延している状況のもとで、会場の使用ができなくなり「新緑の集い」は中止せざるをえなくなりました。長い俳人「九条の会」の歴史の中で初めての出来事でした。この状況のもとでお二人の先生にお願いして、当日、後援をいただく予定だった内容をまとめていただき俳人「九条の会」通信二三ごうとしてお届けすることになりました。


 とあった。そのお二人の内容の題は、武蔵大学社会部教授(元NHKプロデューサー)・永田浩三「ヒロシマ・ナガサキを伝える~表現の不自由に抗って~」と俳人・安西篤「金子兜太という存在」。この機会に、愚生も俳人「九条の会」の呼びかけ人の一人であるので、「俳人『九条の会』入会のご案内」を掲載しておこう(写真下)。


 講演原稿には、金子兜太の信頼厚き側近だった安西篤は、次のように述べている。


 金子兜太は、戦争体験と戦後七十余年の歴史の生き証人であり、時代の牽引者であり、何よりも全人的な存在者でした。どこに出しても格好の絵になる人であり、当意即妙のアドリブで満場をうならせるほどの話芸の持主でもありました。鋭敏な感受性と強靭な思考力、人柄全体を包む温かい人間性は、まさに時代に屹立していたと思います。加えて新しい時代の流れを作り出して行く人であり、俳人として当代随一の人気者になっていました。


ともあれ、文中からいくつかの句を紹介しておきたい。


   曼珠沙華どれも腹出し秩父の子    (昭17)

   魚雷の丸胴蜥蜴這い廻りて去りぬ   (昭19)

   死にし骨は海に捨つべし沢庵噛む   (昭22)

   水脈の果て炎天の墓碑を置きて去る  (昭31)

   湾曲し火傷し爆心地のマラソン    (昭32)

   梅咲いて庭中に青鮫が来ている    (昭53)

   夏の山母いてわれを与太という    (昭60)

   おおかみに蛍が一つ付いていた    (平10)

   津波のあと老女生きてあり死なぬ   (平23)

   河より掛け声さすらいの終るその日  (平30)


 ちなみに、来年「2021年、新緑集い」は、

    ・日時 2021年4月25日(日』午後1時~

    ・会場 北とぴあ ペガサスホール

    ・講演 海老名香葉子(文筆家)

        山本つぼみ(俳人・「阿夫利嶺」主宰)

で、開催予定である。


          


★閑話休題・・春風亭昇吉「『希望の病』あり盤上に六連星(むつらぼし)」(プレバト・11月19日放映より)・・・ 


 さて、昨日19日(木)午後7時からのTVプレバトでは、遊句会で、愚生の仲間である春風亭昇吉が、特待生5級からの審査を受けて、いつき審判によると「現状維持」の評価で、まあ良しとしよう、という感じだった。句の出来はともかく、少し出演にも余裕が出てきたのか、その他の出演者、夏井いつきなどとのやりとりも好印象だった。もともと礼儀正しい、気働きのできる好青年、かつ嘱望されている落語家(来年5月には、真打昇進らしい)なので、今後も是非出演をし続けて欲しい。ただ遊句会の皆さんで鍛え直そうとおもっても、昨年来コロナ禍によって、来年の春までは中止されている。ひたすらの奮闘を祈るのみである。それにしても、わずか二回で特待生扱いになったように、繰り返しその二句「万緑に提げて遺品の紙袋」「風信子数にあまれる失意あり」の句が、TV画面に登場するものだから、その2句が、人口に膾炙して、あたかも名句のように覚えられているようだ。 



     撮影・芽夢野うのき「三島忌近し白刃ににて三日月よ」↑

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