2016年6月8日水曜日

阿部鬼九男「ひるがほや非在といふも沙鳴きせる」(『夏至殺法』)・・




阿部鬼九男が昨年末、12月19日に亡くなって、はや半年が過ぎようとしている(享年85)。実弟の阿部幸夫(さちお)氏より、以下のようなお話が来ている。
鬼九男逝去ののち、遺品の整理をしていたところ、句集『夏至殺法』30冊、『櫻襲』10冊が手元に残されていたので、ご希望の方々に、お譲りしたいとのこと。ただし、一人一冊(本代は無料、送料は申込者負担)にてご容赦下さい、ということである。
御入用の方がおられれば、連絡していただければ有り難く、詳細は、阿部幸夫氏に直接お申込み下されば幸甚です。連絡先は、

阿部幸夫携帯電話 090-1467-0279 
      ・住 所  150-0035 東京都渋谷区鉢山町5-9


    すひかづら出してするすみ鏡の間     『夏至殺法』(端渓社・1985年)
    ふりむけば落つる月日をさるをがせ
    「この先避難所」白き言葉の陽涸らし
    ふうせん葛はフーコー振子にはならぬ
    夏(か)の國に木槿の夢を拓くなれ
    
    
    わが身のみ薦(こも)を出でゆく花祭     『櫻襲』(端渓社・1976年)
    明日又明日マチウ火を負ふ麦は扉(と)
    粥の木の昏くかやすく鬼かくし
    空の空たり口中に鳥滅ぶ
    一人死ぬ日向水二人死なぬ
    裏口でのけぞる母か枇杷の花か
    夏至至らば大工に與ふふくみ釘
    くるしみのふりむけばみな芒原




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