「阿夫利嶺」9月号(阿夫利嶺俳句会)、今月号の連載に、藤井とり「-鳥・とり176ー/谷戸山公園のオオタカ」があって、さらに「『とり・トリのおはなし』(藤井とり著)余滴」の一枚が挟み込まれていた。その説明文に、
野鳥の会の私の知り合いが新型コロナで籠っている間に鳥の体重を食べ物や生活用品と比較した、とても分かりやすい表を作ってくれました。
鳥を見る時の参考にして下さい。
とあった。具体的だから、愚生のような鳥観察の素人にもよくわかるし、なじみの鳥を探してみると、けっこう面白い。。例えば、1番目の欄には、鳥の名前は「キクイタダキ」ー「体重」5グラム・「比較」塩小さじ一杯、と記され、6番目の欄には、「スズメ、ニュウナイスズメ、オオルリ、アトリ」ー「体重」24グラム・「比較」単三乾電池1個、また、最後の欄の「オオワシ♀」-「体重」6800グラム・「比較」生後3~4か月の赤ちゃん。とあったりするのだ。ほかにもう一例をあげると、「アオバト、カササギ」-「体重」240グラム・「比較」牛乳瓶1本、という具合である。言ってみれば、体重を表すのに、比較された物が面白いということだろう。比較物には、「イチゴまたは金柑1個」「ピーマン1個、白熱電球1個」「豆腐井1丁」「サッカーボール1個」「漫画週刊誌1冊」「小玉スイカ1個」などというものある。
話を今号のエッセイに戻すと、結びには、
オオタカは四月中旬から五月上旬に二から三ケ卵を産み、抱卵は三十七日くらい、巣立までは四十日くらいかかります。この谷戸山公園では、毎年オオタカは増えていますが、いま公園にいるのは親の二羽なのか、子供がいるのかは分かりません。
オオタカ【大鷹】̝タカ目タカ科/体長・♂五十センチ ♀五十二センチ/体重・♂六六〇g(バスケットボール) ♀九五〇g(時刻表)/初列風切羽・十枚 次列風切羽・十一枚/三列風切羽・三枚 尾羽・十二枚
と記されていた。ともあれ、本誌本号より、一人一句を少し挙げておこう。
沖縄忌原風景に海の紺 山本つぼみ
縄電車は常に単線七変化 小沢真弓
竹夫人明暗分けし稀有の世に 古橋芝香
山開きはなし五合目の風を聞く 宮﨑清美
なしとげし約束ひとつ祭笛 森山節子
疫病の世ひたに潜れり大茅の輪 横井法子
経文に執す御蔵洞滴れり 吉里良夫
花茨蕪村の句をば彷徨す 井沢圭一
新緑や黒々と書す曾孫の名 内田衣江
夕風やラベンダーの香を褒美とす 大玉ふみこ
水差の銘は朝顔朝茶の湯 大塚和光
峰雲の峰耀うてつとむ逝く 金行康子
白地着てブルーグラスの歌を聴く 神山 宏
稀有の世や自在羨しき水馬 三幤芙佐子
国灼けてかつて日の丸額に巻く 芝岡友衛
月光をまるごと吸ひて月見草 鈴木香穂里
阿夫利嶺に夏至の落暉を見極むる 角田廣子
コロナ禍の果の見えざり沖縄忌 八谷眞智子
撮影・鈴木純一「終わるには惜しい人生秋の虹」↑
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