第17回・ことごと句会(金田一剛名付けて切手句会・9月19日)、雑詠3句と兼題「幹」1句。今回は、愚生が今夏、府中市生涯学習センター俳句入門講座 での生徒・渡辺信子のデビュー戦だったが、ビギナーズラックというには、緻密な句づくりで、すべての句が開かれた。見事最高点を獲得、しかも2名の特選(2点)を集めていた。たぶん、照井三余と同世代であるが、詩神は若い。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
迷い子の心地一夜の虫すだく 渡邉樹音
昨日まで土塊(つちくれ)だった彼岸花 金田一剛
幹枯れて枝葉繁れる秋彼岸 武藤 幹
月よりの使者乗る風の胸に来る 渡辺信子
指先で秋風をひとつまみ拾う 照井三余
三次会幹事の舌のこぼれ萩 江良純雄
幹という幹に影あり百日紅 大井恒行
★閑話休題・・・梅木俊平「一人来て日傘をたたむ爆心地」(第51回原爆忌東京俳句大会作品集より、東京都知事賞)・・・
応募総数1026句から、各賞が選ばれ、本来ならば、原爆忌東京大会として、8月16日(日)に、北とぴあで行われるはずであった大会と記念講演・能島龍三「戦争のリアルを見詰めて」は、中止になった。選者は43人、愚生が特選に選んだ句は、
広島のがらんどうなる施餓鬼かな 片山一行
であった。ともあれ、以下に各賞を記しておこう。
いない人ばかりの写真ひろしま忌 三浦二三子(現代俳句協会賞)
あじさいの海の昏さよ兵の墓 飯田史郎(第五福竜丸平和協会賞)
原爆忌どの子も空を青く書く 神 春雷(東友会賞)
非常階段降りても降りても爆心地 粥川青猿(東京新聞賞)
人間に影あるかぎり八月来 石原百合子(新俳句人連盟)
噴水の直立不動戦あるな 波切虹平(口語俳句協会賞)
八月黙祷いのちあるものマスクして 田中千恵子(平和を愛する俳人懇話会)
ひろしまの日を花束のように抱く 渡辺をさむ(全国俳誌協会)
芽夢野うのき「藤棚にふいに鳥来る帰り花」↑
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