句と絵・武馬久仁裕↑
「新・黎明俳壇」(黎明書房)第2号・定価727円+税。ブログタイトルにした句は、黎明俳壇選者でもあり、黎明書房社主であもある武馬久仁裕の作(選者詠)である。本号の特集は「宮沢賢治VS新美南吉ーー賢治と南吉の俳句を読む!」。執筆陣は若手の有望俳人、松永みよこ、赤野四羽、川嶋ぱんだ、山本真也、千葉みずほ、山科誠、なつはづき、廣島佑亮。本誌内容については、句の選、連載物、俳句クイズなど武馬久仁裕の志向が誌の隅々にまで行き届いている。特集記事については、「豈」同人でもある、なつはづきの担当した句を挙げておこう。
たそがれてなまめく菊のけがひかな 宮沢賢治
雨はれで梔子にゐる少女かな 新美南吉
(前略)まっ白で、また枯れてあっさりと汚れる梔子。少女に例えるのにふさわしいのではないか。「少女」という名詞を使いつつ梔子が擬人化されて、賢治の句とは逆になっている。擬人化の難しいところは、読者が「おおそうか」と納得しなければ成功しないところである。季語と人物像が近すぎても陳腐だし、離れすぎていると想像ができない。
と結ばれている。 ともあれ、以下に「黎明俳壇」の特選句を挙げさせていただく。名古屋近辺とはいえ、少しずつ投句も増えているようだ。巻末には読者カード兼用の投句用紙も付いている。年2回刊(3月、9月)。
第19回 特選 白菜を抱え老いたる父来る 西尾市 稲垣嘉子
第20回 特選 黒板に名句が一つ卒業式 安城市 岡本隆雄
他に、選者の選評付きで秀逸5句、ユーモア賞1句。べつに入選約100句が掲載されている。
白い布からの変身↑
★閑話休題・・・前田勝己〈深雪アートフラワー〉展「アート・花浪漫Ⅳ」・・・
新型コロナ蔓延により、本年中の休止を決めている遊句会のメンバーの一人の前田勝己の個展である。前回は、句会メンバーの各人一句について、それぞれの花の力作を添えていただいた。今回は、気持ちとはべつに、愚生は、事情あって行けそうにないが、皆さんはマスク着用で感染防止をして、是非ともお出かけ下さい。見ないうちから言うのもはばかられるが、素晴らしい作品であることは間違いありません。
期日 2020年10月1日(木)~4日(日)
時間 10時~17時
会場 真宗大谷派 光明寺 (江東区千田9-7 電話03-3644-3043)
地下鉄都営新宿「住吉駅」B1出口より、徒歩10分
撮影・鈴木純一「捨姥待月(としおいしははをすてんとつきをまつ)↑
0 件のコメント:
コメントを投稿