2021年5月6日木曜日

武藤幹「センテンスとける縺れる花筏」(第24回「ことごと句会」切手句会)・・・

 



 第24回「ことごと句会」切手句会、雑詠3句+兼題「白」。以下に一人一句と寸評を紹介しておこう。事務局の金田一剛は、この連休直前、激痛で救急搬送され、胆のうの緊急手術をしたらしい。その退院後の最初の仕事が、この句会報だ。お疲れさまでした。一日もはやい本復を祈ります。


   深紅(くれない)のツツジ燃え咲く獄(ひとや)   渡辺信子

   春愁眉毛の位置が定まらぬ              渡邉樹音

   紋白蝶吾の書斎を覗き去る              武藤 幹

   くだらねぇとつぶやいた余白            らふ亜沙弥 

   ぼんやりしにゆく噴水の白い陰            照井三余

   日の丸の匂いじんわりみどりの日           江良純雄

   日は西にムサシノキスゲ月在処(ありか)       金田一剛

   白はMr(ミスター).ヨシノリ・タニの走るひらひら  大井恒行


 ⑥「センテンス」・・「とける」がかなで、「縺れる」が漢字。これはこれでいい(剛)

 ⑲「深紅の」・・罪と深紅の相性の良さを買う。「咲く」は言わずもがなでは?(純雄)

 ⑮「春愁」・・すべてを疑え、そんな時間をもうどれほど過しただろう。(信子)。

 ㉚「紋白蝶」・・一日に数回彼の書斎を覗く。ただそれだけの日常です。私は黒揚羽蝶かも(亜沙弥)。 

 ⑫「くだらねぇ」・・「余白」と「くだらねぇとつぶやいた」ことの取り合わせが見事   (幹)。・・そういうことがいかにもありそうである。なかなか埋められない余白もありそう(恒行)

 ㉔「ぼんやりしに」・・「ぼんやりしにゆく」の「し」には「死」がかくされてもいる            (恒行)。

 ③「日の丸の」・・今の若者はみどりの日の意味を知っているのだろうか(樹音)。

 ㉒「日は西に」・・日没を待ちかねた白い月。蕪村の俳画が浮かぶ(信子)

 ⑩「白はMr.」・・谷さんを知っている私には嬉しい句でした(亜沙弥)。毎日走っていた谷佳紀さん。私は2~3度お話しできただけだが、精々しい思い出が残っている(幹)。



         芽夢野うのき「葉桜籠りコルトレーンの蒼き首」↑

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