第24回「ことごと句会」切手句会、雑詠3句+兼題「白」。以下に一人一句と寸評を紹介しておこう。事務局の金田一剛は、この連休直前、激痛で救急搬送され、胆のうの緊急手術をしたらしい。その退院後の最初の仕事が、この句会報だ。お疲れさまでした。一日もはやい本復を祈ります。
深紅(くれない)のツツジ燃え咲く獄(ひとや)前 渡辺信子
春愁眉毛の位置が定まらぬ 渡邉樹音
紋白蝶吾の書斎を覗き去る 武藤 幹
くだらねぇとつぶやいた余白 らふ亜沙弥
ぼんやりしにゆく噴水の白い陰 照井三余
日の丸の匂いじんわりみどりの日 江良純雄
日は西にムサシノキスゲ月在処(ありか) 金田一剛
白はMr(ミスター).ヨシノリ・タニの走るひらひら 大井恒行
⑥「センテンス」・・「とける」がかなで、「縺れる」が漢字。これはこれでいい(剛)
⑲「深紅の」・・罪と深紅の相性の良さを買う。「咲く」は言わずもがなでは?(純雄)
⑮「春愁」・・すべてを疑え、そんな時間をもうどれほど過しただろう。(信子)。
㉚「紋白蝶」・・一日に数回彼の書斎を覗く。ただそれだけの日常です。私は黒揚羽蝶かも(亜沙弥)。
⑫「くだらねぇ」・・「余白」と「くだらねぇとつぶやいた」ことの取り合わせが見事 (幹)。・・そういうことがいかにもありそうである。なかなか埋められない余白もありそう(恒行)
㉔「ぼんやりしに」・・「ぼんやりしにゆく」の「し」には「死」がかくされてもいる (恒行)。
③「日の丸の」・・今の若者はみどりの日の意味を知っているのだろうか(樹音)。
㉒「日は西に」・・日没を待ちかねた白い月。蕪村の俳画が浮かぶ(信子)
⑩「白はMr.」・・谷さんを知っている私には嬉しい句でした(亜沙弥)。毎日走っていた谷佳紀さん。私は2~3度お話しできただけだが、精々しい思い出が残っている(幹)。
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