2015年8月12日水曜日

大岡頌司「ともしびや/おびが驚く/おびのはば」・・・



「大岡頌司 没後十年記念」、〈酒巻英一郎 大岡頌司文学を語る〉が総合文学ウエッブ情報誌「文学金魚」に掲載されている。
酒巻英一郎は現在、同人誌「LOTUS]発行人、「豈」事務局長を務めている。18歳頃より俳句をはじめ金子弘保に多くを学び、大岡頌司に私淑、大岡頌司唯一の弟子と言われ、三行書きの俳句を実践している。『大岡頌司全句集』(浦島工作舎)を編纂。比較的最近作に、

     詳らかに
     具えて
     春の曙は          英一郎

     寒暁を
     そらにことばの
     絶巓を

 などがあるが、作品、散文を含めてすべて旧かな、正漢字で書く俳人である。
ともあれ、インタビューのなかで語っていることで、俳句を一行で書くことと、多行で書くことの機微について興味ある発言が随所に見られる。例えば、

  俳句には「一行で立つ」という言い方がありますが、比喩的に言うと多行俳句形式はそれを横に寝かせちゃうわけです。一度寝ちゃうと逆になかなか立ち上がれないということはあります。

また、大岡頌司句集『花見干潟』については、

 それまで、日本文学が到達していなかったレベルにあると思います。「もしも/もしもと茅屋根の/百の雫を軒として」、「妹がひとりの引潮の/潮干の径を/朝へ帰らむ」、「現は夢のけむりぐさ/すてた山椒に/乳母ら捨てらる」、「今は花なき花いちぢくの/日は龍宮の/杖のつりざを」、「落日はいま/青き棗の/日中を撮む」とかね。

これ以上に、興味のある方は、以下でご一読を・・・・

     http://gold-fish-press.com/archives/34977

大岡頌司(おおおか・こうじ)は、1937年広島県賀茂郡生まれ、2003年没。



                  オオガハス↑

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