2019年9月22日日曜日

武藤幹「秋風の冷(れい)より冷(ひ)えし言葉かな」(第8回「ことごと句会」)・・


二次会「天狗」にて・・↑
  
  昨日、9月21日(土)は、第8回ことごと句会(於:ルノアール新宿区役所横店)だった。攝津幸彦健在のころの「豈」歌舞伎町句会は、この店で行われていた。当時は、店に行きつくまでの通り道に客引きがいたり、覗き部屋があったり、句会に参加する女性の方々の評判は、環境が悪い・・・だった。この店のすぐ近くには小宅容義の「ひょっとこ」という飲み屋(めし屋)もあった。俳人のたまり場でもあった。夏石番矢と一緒に波多野爽波に会ったこともある。爽波は競馬が好きで、現俳協の大会などでは、席を外しては競馬中継のラジオを聞いていたこともある。もっとも、かくいう愚生も席を外してお茶をを飲んでいたこともある。それというのも、主要な議題は、大会直前に開催される幹事会で決まっていたから、大会の議事進行中は中座も可能だったのだ。
 ともあれ、一人一句を以下に挙げておこう。雑詠3句+席題は「草」。

   遠峰に鳥渡りたる動悸かな     照井三余
   水蜜桃一縷の火種孕みつつ     渡邉樹音
   津軽路は石っこ流れて葉は沈む   銀 畑二
   草の花風に生かされ風に死す  たなべきよみ
   風情にて「助演賞」受く草の花   武藤 幹
   名の草のみどりいささか水の辺に  大井恒行



           撮影・武藤幹↑

★閑話休題・・・武藤幹「秋風や表札消えた扉(ドア)ひとつ」(第195回「遊句会」)・・


 武藤幹参加の二句会の高点つながりで、9月19日(木)、第195回「遊句会」(於:たい乃家)。愚生は、諸般の事情で欠席投句。兼題は、敬老の日・枝豆・風。

  いつまでも他人事(ひとごと)のごと敬老の日 中山よしこ
  背に沿ひて色なき風の通りけり        山口美々子
  転がりし枝豆食べる愛犬(いぬ)も亡く     武藤 幹
  ひと吹きやぜい弱文明風に泣(な)く      川島紘一
  風は泣く風は笑う風は怒る           村上直樹
  一莢(ひとさや)に四粒枝豆世は平ら      山田浩明
  神の手に余る年寄り敬老日           石川耕治
  玩亭を偲び頬張るだだちゃまめ         渡辺 保
  風に屁を泳がしたるを聞かれけり       春風亭昇吉
  枝豆の塩の白さと血圧計           植松隆一郎  
  えだ豆の皮積む皿や男酒          たなべきよみ
  そこ此処に加齢の病敬老日           前田勝己

☆番外投句・・・

  風紋や足跡置きに秋の浜            林 桂子
  かなうなら風に生まれよ次の世は       原島なほみ
  晴天の七十路の霹靂秋の風           橋本 明
  敬老の日もうひとつメガネを買ふ        加藤智也
  のびのびと敬老の日の水飲めり         大井恒行

 次回は、10月17日(木)、兼題は、冬構え・凩(こがらし)・蒟蒻(こんにゃく)。
また、次回は例会の翌日が坂東孫太郎(輝一)宗匠の祥月命日にあたり、前倒しして、
句会前の墓参が計画されている。
  
 
   
撮影・葛城綾呂 高所作業↑

0 件のコメント:

コメントを投稿