第20回・ことごと句会(84円切手句会・12月20日付け)、雑詠3句+兼題「鬼」1句。この句会報がポストに届いたのは、東京が新型コロナ感染者数1337名、全国では4500名超の過去最高を記録した大晦日だった。事務局の金田一剛の挨拶には、
皆様、新型コロナにやられぱっなしの一年でしたね。
わたしは、11月に足の指に異物(ガラス)が入りまして、2回切開してもだめで、3回目に入院して一泊手術。一昨日退院してきました。信子さん、ひと月ほど一本杖を斜めに背負って歩いていました。
来年もコロナ化(禍)の世の中続きそうですが、なんとか「八十四円切手句会」を続けましょう。
佳いお年をお迎え下さい。
とあった。なかなか大変な日々をお過ごしだったようで、一日も早い本復を祈ります。お大事に・・・・。ともあれ、一人一句を挙げておこう。
故郷は遠く胸中大枯野 渡邉樹音
引っ越しの冬日孫(うまご)のおっちゃんこ 金田一剛
冬木みな鳥の恐れる色と化す 照井三余
寒波襲来鬼の吐息が刺さる 江良純雄
老いらくの恋セーターの静電気 武藤 幹
疑問符を斜めに背負いしまま越年 渡辺信子
息白しふるさと白し肉親も 大井恒行
以下に、選句に付された一口コメントを記しておこう。
・1句目「故郷は・・」、心ならずも「今年は来なくてよい」と言わざるをえない親の気持!ー信子。
・2句目「引っ越しの・・」、情景の確かな佳句。下句「孫(うまご)のおっちゃんこ」と方言を上手く取り入れて佳。上句「引っ越しの冬日」との取り合わせも佳。ー恒行。
・3句目「冬木みな・・」、灰黒色の腕を伸ばしたような冬の木。けたたましく空を裂くように鳴いているのは恐れなのか。詩情があります。-樹音。
・4句目「寒波襲来・・」、しんしんと身を貫く冷たさはまさに鬼の吐息ですね。-樹音。
・5句目「老いらくの・・」、まだ残る初々しさ、恋は恐ろしい?-恒行
・6句目「疑問符を」、自問自答の一年だったのでしょうか?-恒行。
・7句目「息白し・・」、肉親の息の白さは髪?髪でないほうが重量感あり。-純雄。ふるさとも白い。肉親も白い。孤独が迫る。強い句だ!-幹。
撮影・鈴木純一「経済(けいざい)をぎゃくに回せばGOTO(いざ行け)やね」↑
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