「現代俳句への招待/山﨑十生 俳句展」(上掲写真)、会場は、さいたま文学館桶川市民ホールギャラリー(JR桶川駅西口5分)。当初の予定をコロナ禍により縮小して、来る5月1日(土)~5月3日(月)10時~16時の開催される(感染対策を十分に行い実施する、とありました)。
お近くの方は立ち寄られてはいかがだろうか。ともあれ、以下に「紫」5月号の「龍門集」より、一人一句を挙げておきたい。
揚雲雀地球に少し力借す 山﨑十生
蘖はもう根っからの抽象派 渡辺まさる
寒落暉の他は写らぬ吊り鏡 鈴木紀子
水の辺に嘆きて太郎の樹となりぬ 関口晃代
拒み得ぬ迷彩服や多喜二の忌 若林波留美
渾沌を深めつつ水温みけり 森壽賀子
★閑話休題・・山本敏倖「枯蟷螂まだ敵対をつづけるか」(「東京都区現代俳句協会会報」第186号より)・・・
「東京都現代俳句協会会報」第186号によると、山本敏倖は、新年度にあたり、東京都区現代俳句協会会長に就任したとあった(現代俳句協会年鑑部長にも新任)。その挨拶に、題して「禍における継ぐから繋ぐへ」と述べていた。前出の「紫」主宰・山﨑十生は、埼玉県現代俳句協会会長である。いずれも「豈」同人であるが、ついでに記しておくと、「豈」発行人・筑紫磐井は、今年四月から、現代俳句協会副会長に抜擢され、就任した(俳人協会では評議委員である)。いよいよ現代俳句協会と俳人協会を統一しての、俳壇支配?も夢ではなくなりつつあるようだ・・・(まさか、戦前の日本文学報国会俳句部なんぞにはなってもらいたくはないが)。ついでに記しておくと、同じく「豈」同人のなつはづきは研修部長に就任である。参与には、橋本直も川名つぎおも居る。一同人誌にしか過ぎない「豈」が、現俳協の要職を占めている???。ともあれ、区会報に掲載されている幾人かの句を以下に挙げておきたい(兼題は「寒北斗」「冬北斗」に自由題)。
ふるさとの汚染土の丘雪景色 川崎果連
寒北斗明日が無限にあったころ 白石みずき
セーターの穴から見える少年期 磯部薫子
餅おぐるからけえるなと母の声 高橋透水
どんど火は男の匂い風焦がす 青木栄子
寒北斗眺めて家族らしきもの 今野龍二
凍蝶のかすかに笑ひ懸想する 松澤雅世
自由律碑ねそべって寒北斗 佐々木いつき
除菌して成人の日の皮膚呼吸 栗原かつ代
寒北斗天の茶会の始まれり 長谷川はるか
夫と買ふ揃ひのベレー探梅行 宮川 夏
息すれば曇る眼鏡や初山河 松田ひろむ
誰もみな母から生まれ冬あたたか 西本明未
撮影・芽夢野うのき「佐保姫の魂の出入りもスカイツリー」↑
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