2022年1月1日土曜日

大井恒行「虎の尾を踏む張子の虎や老いの春」(新春詠)・・


 謹賀新年!本年もよろしくお願いいたします。3年前より、つまり、古稀を期に年賀状はお出ししておりませんので、本ブログにて、新年のご挨拶を申し上げます。

 ということで 、年頭から図々しく「現代俳句」(現代俳句協会)1月号

の「百景共吟」の句と合わせて、本年1月8日発売予定「図書新聞」(3526号・1月15日)の書評「北川美美著『眞神』考」の写真などをアップさせていただきます。また「現代俳句」同号には、別に武馬久仁裕著『俳句の深読み』(黎明書房)の書評(ブックエリア)

「『言葉さばき』は『言葉みがき』」も合わせて寄稿しました。



           列島を巡る地震や鹿は四花        恒行
           はるばると鹿は雪華をはこぶなり
           令和はや鹿の飢えさえ知らず住む
           氷野国(ひのくに)や遊べる鹿はそしられて
           流氷の醸すカモシカかもしれない



                                                          ↑
 本書は、北川美美の遺書である。主要には、俳句総合誌「WEP俳句通信」(88号・2015年10月~108号・2019年2月)に連載され、途中に病を得、手術、入退院を繰り返しながら書き継がれた。連載は中断を挟みながらも成就し、加筆修正を施していた最中、本書の仕上がりを見ることなく、無念にも他界。いわばこの世への渾身の置き土産である。(中略)     そして、『眞神』は「季語の有無だけでなく壊滅した新興俳句を含み、俳句が何であるかを呈示していよう。俳諧であり、発句であり、雑排、滑稽、挨拶、写生、あらゆる俳句の側面が多面的に一三〇句に含まれる。それが小西甚一先生の言う「雅と俗にまたがった」もの、すなわち俳句であり、『眞神』である」と見定めた北川美美もまた、三橋敏雄の精神とともに、祈りにも似た不朽の問いを発しているのである。



   撮影・芽夢野うのき「紅葉美しあっちの空のがんらんどう」↑

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