2013年12月17日火曜日

「ぶるうまりん」27号・・・


「ぶるうまりん」27号が届けられた。
「ぶるうまりん」は須藤徹(2013年6月29日没、享年66)が発行人を務めた同人誌であるが、内実は結社誌に等しい、いや、生半可な結社誌よりも厳しく管理された、隅から隅まで須藤徹の雑誌だった。
その俳句への想いの厳しさゆえであろう。その厳正さを糧として感謝する追悼文に溢れていた。
つまり、「ぶるうまりん」27号はこれまた隅から隅まで「須藤徹追悼号」である。
これで、終刊するのかと思ったが、27号を愛情溢れる編集を行なった松本光雄の「編集後記」によると「『ぶるうまりん俳句会』は、『第二次ぶるうまりん』として、当面続行いたします」とあるので、まずは、須藤徹の俳句への志を、何等かの形で残していく道を選んだと思われる。しづかに声援をおくりたい。
思えば、かつての小川双々子「地表」門下の俊秀であった伊吹夏生、淺井霜崖、白木忠、長澤奏子などを立て続けに、そして須藤徹を失ったのは実に寂しいことである。
追悼号冒頭に、安井浩司は「藤の実に少し見えたるけさの秋」の自句に、須藤徹が「藤の実」に「不死の身」を読み出してくれたと記しているが、今号に掲載された「須藤徹五十句選」の冒頭句が「哲学の周縁に爆ぜ藤の実は」であることを思うと、その句意の底に「不死の身」を沈ませているのは須藤徹のハイデガー的な存在観か・・・。

                   サザンカ↓ 


0 件のコメント:

コメントを投稿