今日は、阿部鬼九男氏宅に、酒巻英一郎、救仁郷由美子、そして愚生ともども訪ねた。吉村毬子も同行の予定だったが、急遽よんどころない事情ができて、残念ながら行けなかった(次の機会に・・・)。
阿部氏宅では、ドイツビールから始まってワイン、メインデッシュ、デザートまで、いつものことながら美味なる手料理をいただいた。
愚生だけは退職した会社の忘年会に呼ばれていたので、夕刻に失礼した。
その折、酒巻氏より、髙柳重信詩集(福田葉子所蔵)のコピーをわざわざ手造りにて製本していただいたのをいただいた(写真上)。
詩集は昭和19年夏、自筆で書かれた和綴じ本のコピー。
『髙柳重信全句集』の岩片仁次の著書目録に「Ⅴ 自筆本・草稿類」によると、異本として「袋綴和本仕立、著者自装、筆書き。献辞・吉永武博兄二献ズ」の記載がある。
さらに補記として「この二著は、当時郡旅にあった吉永武博(南艸)に送ったもの。但し、吉永武博本人は受け取った記憶なしという」の記載もある。
『旅信』は散文詩で長いものでは40行を越す。
『独樂』は概ね短いものが多く、ソネット風、短歌風の詩篇があるが、なかに
「純文学のやうに生きたい
大衆文学のように死にたい」という詩行もある。
また、当時の時局にはばかるような、
「みんな兵隊にゆき
誰もけんくわする相手のゐなくなつた
かなしさよ
犬に石を投げしかな」
というのもあった。
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