2021年11月2日火曜日

岡村知昭「秋の蝉図書館臨時駐車場」(「Picnic」No.4)・・・

 

 「Picnic」No.4(編集 野間幸恵・石田展子)、その野間幸恵「5・7・5を企む『Picnic』」には、


 この「Picnic」は作品を気がるに発表する場があればいいのにという自分の希望を数人仲間と具現化しました。

「句集」を出すという事の晴れがましさ、厳しさを大切に、出来る限りお洒落で安価なものを年に3回発行するという無茶ぶりを、2020年11月から続けています。

句集を出すことで得られることは沢山ありますが、私はその句集の世界からの離脱、卒業が一番のメリットだと思っています。発表と同時に破棄する決断をし、0の状態を作ります。また違う世界を構築するための戦いを「句集を作る」という美意識を誇りに575に挑む繰り返しです。

蝶のようには脱皮がうまくいかないことは伏せていますが・・・


 とあった。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


  ミッキーはミッキーの死体と思う       榊 陽子

  本尊は頬ふくらませ蝉時雨          岡村知昭

  どこへ行こうか空色のお弁当         妹尾 凛

  コーチそろそろ息をしていいですか     木村オサム

  かるかやをよすがにうたう平坂まで      松井康子

  LGBTそれぞれの名はマトリョシカ      月波与生

  かふかまでつらつらうごくあさのゆめ   あみこうへい 

  赤い橋渡るこの世の無尽蔵         大下真理子

  削除するたび思ひ出は紅葉す         鈴木茂雄

  ひまりを棒立ちだとは言わせない     中村美津江

  この道はいつか踏みはずして無敵      広瀬ちえみ

  秋の昼乱丁のまま燃えている         石田展子

  空海を歩くつもりの手ぶらなり        野間幸恵




★閑話休題・・ 森澤程「神の鹿まだ一頭のついてくる」(「ちょっと立ちどまって」2021.10)・・・


葉書通信「ちょっと立ちどまって」のもう一人の同人は津髙里永子。その中の一句は、


   古酒新酒をとこと書きて消せぬ夜は    津髙里永子



         撮影・芽夢野うのき「脈々と美しき魂胆花は秋」↑

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