2017年2月7日火曜日

芭蕉「田一枚植えて立ち去る柳かな」(柴田雅子作『やさしい芭蕉さん双六』)・・



柴田雅子作『やさしい芭蕉さん双六』(発売・岩波ブックセンター信山社、税込み500円)を贈っていただいた。『やさしい芭蕉さんかるた』につぐ第二弾。作者は日本伝統俳句協会会員で、著作には『俳句、創ってよかった中学生の十二ヶ月』(日本エディタースクール、平成7年刊)、その後『随想 優しい芭蕉』(岩波ブックセンター信山社)などがある。
愚生との縁はご主人だった柴田信を通じてである。
柴田信は、かつて池袋にあった芳林堂書店店長、コンピュータ管理の片鱗もないときに本に挟まれた短冊のひとつひとつを日々集計し、書店界の単品管理に道を開いた人であった。その後、岩波書店の子会社だった信山社ブックセンター入られた。愚生が『本屋戦国記』(北宋社)を出版した時には、業界人のそれも経営者側の人でありながら、最初に書評をしてくれた人だった。
愚生の娘も学生時代に、書店でのアルバイトとしてお世話になった。娘が言うには、その頃、学生ではとても行けないような店にみんなを連れて行ってくれたり、よく、声をかけてくれたそうである。その柴田信が昨年、10月12日に急逝したのは新聞の訃報欄で知った。享年86。しばらくして、東京新聞「大波小波」で、店が閉店になることも知った。
思えば、70年代後半から80年代の書店労使ともに激動の時代であったにもかかわらず、双方から信頼厚き人であった。急逝されるまで、神田神保町の発展に色々尽くされていたと聞いている。
便りには、虚血性心不全での急逝がいまだに信じられないとしたためられてあった。あらためて柴田信のご冥福をはるかに祈る。合掌。


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