2017年6月25日日曜日
高山れおな「麿、変?」(「現代俳人名鑑Ⅱ」より)・・
「俳句」(角川文化振興財団)7月号でようやく『俳句』創刊65周年記念付録「現代俳人名鑑」Ⅰ・Ⅱ・Ⅲが揃った。「俳句」本誌は、愚生などは本屋で立ち読みするか、図書館で少しじっくり読むか、という体たらくなのだが、この3ヶ月にわたる付録だけは買いそろえておこうと思ったのだ。というのも、かつて別冊俳句で『現代俳句選集』(平成10年、角川書店)、『平成秀句選集』(平成19年、角川学芸出版)が出版され、現代俳人のおおよその目安がつくということがあって、資料的にも価値があるとおもっていたので、この度、約10年ぶりに、その内容を踏襲した一本が、本誌の付録ながら出版にこぎつけたというのは、良い仕事の一つといってよいと思う。ただ、いかなるアンソロジーにもあることだが、ここに収録されている幾人かよりもはるかに見事な俳人が落ちているのは残念なことではある。しかしそれは、いみじくも、草間時彦が「甚平や一誌持もたねば仰がれず」と詠んだように、いわゆる俳壇的な毀誉にしか過ぎないことだろう。
以下に仲間内のみとそしられるかも知れないが、同付録掲載の「豈」同人の一人一句を以下にあげておきたい。
八月十五日真幸く贅肉あり 池田澄子
海に出てしばらく浮かぶ春の川 大屋達治
睡蓮やあをぞらは青生みつづけ 恩田侑布子
花過ぎのフランス山を洗ふ雨 鹿又英一
皿皿皿皿皿血皿皿皿皿 関 悦史
山眠る亡き人の夢見るために 関根かな
秋簾撥(かか)げ見るべし降るあめりか 高山れおな
犬を飼ふ 飼ふたびに死ぬ 犬を飼ふ 筑紫磐井
海嶺に次の人類眠る春 橋本 直
生きてまたつかふことばや初暦 秦 夕美
ほんたうの恋は片恋霏霏と雪 山﨑十生
集団的などてすめろぎのぞまず夏 大井恒行
愚生の句では、誤植と思われるが「て」が抜けていたので、この場で訂正しておく。
そうそう、あとひとつ「作句心情」のコメント欄で、短く、かつ俳諧精神を顕現していたのは筑紫磐井「蒼古たる題詠の精神に、『第二芸術』の現代性を」であり、高山れおな「げんぱつ は おとな のあそび ぜんえい も/きれ より も ぎやくぎれ だいじ ぜんゑい は/でんとう の かさ の とりかへ むれう で しますーー右三句、作句信条(のやうなもの)として」であった。
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