2019年11月24日日曜日

銀畑二「畦道を桂馬跳びして冬来る」(第145回「豈」忘年句会)・・・


第5回攝津幸彦記念賞の正賞(打田峨者ん・正面着席)、準賞(佐藤りえ・中列左、なつはづき・中列右側)、後列左より選考委員の大井恒行・高山れおな・筑紫磐井・池田澄子↑


 昨日は、隔月の第145回「豈」忘年句会(於:インドール)だった。一年に一度は必ず出席するという人も、また、遠路、群馬から北川美美、関西からは北村虻曵、堀本吟の出席もあった。夕刻5時からの懇親会には、池田澄子、高山れおな、登羊亭(山登〈やまと〉)各氏が駈けつけ、第5回攝津幸彦記念賞(正賞・打田峨者ん、準賞・佐藤りえ、なつはづき)の授賞も行われた。 以下には句会の一人一句を挙げておこう。

  枯蟷螂の背筋力のしたたかさ      森須 蘭
  陣取りのそこから冬が始まった    羽村美和子
  晩秋の水のかたちを彫り当てし     北川美美
  一陽来復丸まつてゆくレシート    吉田香津代
  なぞり行く煉瓦の起伏開戦日      飯田冬眞
  初しぐれ殴って行くもまた妹     小湊こぎく
  攝津・大本亡くて十二月の珈琲     筑紫磐井
  蝉落ちて土となりたるバビロニア    北村虻曵
  フユキタルデンキパンツヲカンガへル  川崎果連
  雪催スプーンに燃ゆる角砂糖     伊藤左知子
  電飾街深きに盛り塩 月太る     打田峨者ん
  逃げ道を残す優しさ葛湯吹く      渕上信子
  藁人形菊人形より多弁です       篠崎央子
  献花所にソース香れる一葉忌      西川由野
  銀河流れよ廃墟も青き水の星      井口時男
  遠峰に鳥渡りたる動悸かな       照井三余
  寒林に在れば吾も冬木にて       福田葉子
  引きおえた顔をしている大根引    杉本青三郎
  肋ぬけいでし隼吾になり       川名つぎお
  僧形に固まつてゐる茎の石      妹尾健太郎
  日記買ふ日から始まる月からか     銀 畑二
  うそぶくは自閉の室の室外機      堀本 吟
  秋深し三つ指ついて逝きまする     早瀬恵子
  雪月花に菊花ふくまず汝が郡(こおり) 大井恒行


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