2020年10月16日金曜日

眞鍋呉夫「ヘルメットぬげばあの夜の雪女」(「俳句四季」11月号より)・・・


 「俳句四季」11月号(東京四季出版)は、なぜか愚生に関連する記事がいくつかあった。紹介したい。まず、特集「生誕百年の俳人」のなかの眞鍋呉夫の愚生の挙げた一句は、『眞鍋呉夫全句集』(書肆子午線)未収録の句で、その証拠にハガキの写真を挙げておこう。中の私信については、本誌上段に執筆している浅沼璞に関する便りで、偶然の縁がここでも生きている、と感じた。




 次の記事は、「今月のハイライト」の「『豈』創刊40周年」で筑紫磐井の写真と攝津幸彦、偲ぶ会での佐藤鬼房や攝津資子(もとこ)、子息の斉彦(ときひこ)、出席の宇多喜代子などの写ったスナップ写真(下)。


 さらに、筑紫磐井の連載時評「俳壇観測・214回」で、それが「大井恒行の時評ー活字ばかりでなく、電脳でも俳壇は動く」という記事(下写真)である。少し誉めすぎの気配があるが、愚生が忘れている年月の期間などが丁寧に記されている。よく読んでいただいていて恐縮至極である。


 
「豈」40周年記念の紹介記事は、創刊同人の藤原龍一郎が執筆しているが、これも愚生が忘れていたことなどが記されていて、改めて愚生の記憶のいい加減さを思い知らされたのだった。ともあれ、本記事掲載から同人の句を以下に挙げておこう。

   ひぐらしや森の昏さを削りだす        飯田冬眞
   マスク流るゝムンクの橋の梅雨夕焼      井口時男
   太古より人は人恋う夕しぐれ         池田澄子
   東京は仮面舞踏(マスカレード)の月夜かな  大屋達治
   国旗のごとく運びしブルーシートに花     北川美美
   春の宵見知らぬ絵襖をあける        倉阪鬼一郎
   春星へかよふ寝息となりにけり        五島高資

   いまいちど
   なんぢやもんじやの
   奇をめぐる                酒巻英一郎

   ここへ来て滝と呼ばれてゐる水よ       佐藤りえ
   夏のれんあげて鴉を叱りつけ         妹尾 健
   物乞いの掌より銀河の零れけり        高橋修宏
   人間に見えて啼く鹿燃える鹿        高山れおな
   ひとりだけ菌のやうに白く居り        中村安伸
   子規の背に揚羽の翅の生ふる夢        橋本 直
   十六夜に夫を身籠りゐたるなり        秦 夕美
   自由と銃絡み合ってる烏瓜         羽村美和子
   ゼロゲーム時の人いて発酵す         早瀬恵子
   門柱の手触りを言い今朝の秋         福田葉子
   どうしても捨てねばならぬかすていら    樋口由紀子
   伊集院静みちのく寒銀河          藤原龍一郎
   光年距りにいて斑猫(みちおしえ)      堀本 吟
   ハギビスの戦い続く幸彦忌          山﨑十生
   存在と無と竜骨の先鰤起し          山本敏倖
   津梁の鐘やまぼろし海おぼろ         亘余世夫 

  

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