2021年11月26日金曜日

江良純雄「半眼の仏となりし日向ぼこ」(第31回(メール×切手)ことごと句会)・・

 


 第31回(メール×切手)ことごと句会、雑詠3句+兼題「半」1句。以下に1人1句と寸評を挙げておきたい。


  人形のみえぬ半分つねに 冬        照井三余

  立冬や龍角散のアルミ缶         らふ亜沙弥

  二回転半で宜しい散紅葉          渡邉樹音

    天台寺 寂庵

  在りし人 片側減りし草箒         金田一剛

  みっちりと闇も隙なき冬の色        渡辺信子

  青空や雪はまだかと田舎者         杦森松一

  風と行く冬の並木のバーコード       江良純雄

  気が付けば末枯れどきのものばかり     武藤 幹

  あるべきは四季の国なれわが俳句      大井恒行

  

「半眼の・・」ー母の縁側での姿、日向ぼこがほっこり(亜沙弥)。

「人形の・・」ー半分には常に陽が当たらない、そこは、つねに冬という凄惨を含んでよう。人形ならばなお・・・(恒行)。

「立冬や・・」ー龍角散のアルミ缶の冷たさと温さ。強すぎる「や切り」の嫌いなわたしですから、「冬に入る」とか「今朝の冬」の傍題で十一月の初冬を詠みたい(剛)。

「俳」は人に非(あらず)。柔軟に(もの)に変えよ!この句が見本(三余)。

「二回転半・・」ー紅葉の美しさはその色ばかりではありませんね。紅色がくるくると舞う姿もまた一興です(信子)。

「在りし人・・」ー昔、寂庵に吟行に行ったことがあります。片側の減った草箒に日常の美しさを感じました(樹音)。

「みっちりと・・」ー雪国の厳しさを100%感じさせます(松一)。

「青空や・・」ー掲句の江戸川柳的な雰囲気に参りました。良いですねぇ。江戸は。神奈川の田舎者は常に東京人にコンプレックスがあっていけねぇ(英一)。

「風と行く・・」ー枯れた並木の列がバーコードだという見立ては、少し通俗的すぎるかも。今回、トップの「半眼の仏・・」の句に、とおく及んでいないのが残念(恒行)。

「気が付けば・・」ー人生もサビシイものです(恒行)。



 撮影・中西ひろ美「まだ何も起こらずクリスマスソング」↑

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