2021年11月8日月曜日

近江文代「海月ぷうかぷか/ほんとうはしゃべり足りないんだろう」(「猫町」NO.4)・・


 「猫町」NO.4(編集人・赤石忍 発行人・三宅やよい)、表紙裏(表2)に、献辞がある。それは、


 インテリというのは自分で考えすぎますからね。

 そのうち俺は何を考えていたんだろうって、

 分かんなくなってくるんです。

           映画「男はつらいよ フーテンの寅」より

 おう?・・・・

 てめえ、さしづめインテリだな。

           映画「続・男はつらいよ」より


 である。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


  ウクレレる死装束はアロハシャツ      沈 脱

  煮干しにも目あり顎あり秋の暮     ねじめ正一

  あおるものひとつもなくてあけのつき   藤田 俊

  投げうつとターンしてくるコガネムシ  三宅やよい

  打ち切りのドラマ無理矢理五月晴     諸星千綾

  マグネット伝言だけが抜き取られ     山崎 垂

  ヒロくんの前世は孔雀合歓の花    芳野ヒロユキ 

  軽くいなして秋場所の勝名乗り      きゅうこ

  残業と残尿感の春の月          静 誠司

  いま君は案山子と言えば案山子だな    赤石 忍

  かなかなはかなしかなかなとなく     今泉秀隆

  コーヒーの蓋のみにくい春の午後     杉山魯壜

  ふるさとは燃えてしまえばそれっきり   近江文代

  睡蓮へちょっと寄りましょキスしましょ  坪内稔典



      撮影・鈴木純一「愛された結果すぐ出す赤トンボ」↑

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