2015年12月12日土曜日

前北かおる「凩や塀また塀の城下町」(『虹の島』)・・・



掲句には、「一二月二一日 祖母を訪ねる旅 萩」の詞書がある。句集全句には詠まれた場所、詠まれた月日が記されている。
本日12月12日に近い日の句を引用しようとおもったのと、愚生が山口県生なので、18歳で故郷を捨てて以来、遠く離れたがゆえの、生地へのナショナリズムだけは育っているようで、同じ山口県の萩の地名があっただけで、心が動いたのだ。
句集名『虹の島』(ふらんす堂)は、夫婦の結婚十周年、両親の結婚三十五周年を祝ったハワイ旅行に因んでいるという。

       八月三〇日 ハワイ    
     虹の島年に何度も合歓の咲く       かおる
                九月一日詠

前北かおるには、もうすぐ刊行される「豈」58号(12月25日刊行予定)に、新鋭招待作品を寄稿していただている(感謝)。
句集「あとがき」を読むと、

 毎月十回を超える句会に参加している。当然その日その日ムラはあるが、「俳諧師」落第だけは免れているのではないかと思う。

と記している。愚生は隔月の「豈」の句会にやっと出席しているくらいで(それも雑詠3句)、中には愚生を「俳句を作らない俳人」と揶揄する人もいるくらいだから、どうやら、彼の尺度でいくと、ハナから俳諧師落第、俳諧師失格であることは間違いないだろう。お許しをいただくほかはない。
以下にいくつか、本日近く詠まれた句を挙げさせていただく(本日12月12日詠がなかったもので・・・)。

       二〇一〇年
     一二月一〇日 ミクシィ句会
    リモコンを並べ置きたる炬燵かな
    一二月一一日 八千代句会
  柊の花弁を反らし香るかな
  水の上の冬日をひたと見据ゑたる
    一二月一一日 三田吟行会
  瞼にのしかかりくる冬日かな
    一二月二三日 同前 津和野~太田市仁摩町二万
  冬帝を讃へ発電風車群
               一二月二四日詠

前北かおるは昭和53年生まれ。  



                  カリンの実↑

2 件のコメント:

  1. 拙句集、早々にご紹介くださりありがとうございます。
    時雨模様だったせいもあるかも知れませんが、萩の町には重厚という印象を持ちました。
    「豈」の出来上がりも楽しみにしております。

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  2. わざわざのコメント恐縮に存じます。ご健吟を祈ります。

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