2016年10月22日土曜日

前田霧人「へその緒を断たれてよりの秋思かな」(『レインボーズ エンド』)・・・



前田霧人第二句集『レインボーズ エンド』(霧工房)は巻尾に、散文、エッセイを収める句文集である。句集名に関する追記には以下のように記されている。

 その後の我が庭に追加したホスタの名前の一つがレインボーズエンドで、映画「ティファニーで朝食を」の主題歌「ムーンリバー」の歌詞の一節に出て来る。映画ではオードリー・ヘップバーンが部屋の窓枠に腰掛けてギターを弾き語りで歌っている。
 映画の字幕で、レインボーズエンドは「虹の端っこ」、意訳すれば「見果てぬ夢」。

そのレインボ―ズエンドに捧げるように、本句集の最後の句は、少し淋しく、

   おぼろ夜の夢追いそのうちグッドバイ

である。装幀は霧工房の増田まさみ。かつての同人誌「日曜日」の発行人である。攝津幸彦が健在だったころ、増田まさみに「豈」と合体して、誌名を「日曜日の豈(兄?)」にしませんか、と提案したことがあるらしい。そのせいかどうか「日曜日」休刊ののち、亘余世夫は、「豈」に参加し、現在は、徳之島で島言葉の収集、研究をしている。

   シリウスや神々もまた生ぐさし       霧人
   シュレッダー音高々と春来る
   夕焼けてどこかへみんな帰るんです
   闇の奥にまた闇があり蛍生る
   夏草のスカイツリーよりは低し
   水割りやぼくにもあった敗戦日
   そして誰もいなくなった開戦日
   凍蝶の渡る幻化の海なりき
   
前田霧人(まえだ・きりひと) 1946年、高松市生まれ。






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