2016年10月28日金曜日

森山いほこ「銀杏青葉に青の限界日暮来る」(『サラダバー』)・・・



森山いほこ第一句集『サラダバー』(朔出版)の集名の由来は、

   サラダバー横歩きして銀漢へ   いほこ

の句から。今井聖の序文(帯にもなっている)によると、

 「街」が今日まで目標をたてて実践してことの集積が『サラダバー』にはある。俳句とはこうあって欲しいと願ったことがこの句集の中にあり、この句集に欠けていることがあるとすれば、それは僕らが願わなかったことである。森山いほこ今は「街」の今だ。

とあった。つまり「街」が願っていたことのすべてが、欠けることなく、ここにあるということだろう。だとすれば、愚生は「街」の今と今後を、ここに認めればいい。
「朔」出版は聞きなれないと思って、奥付を見たら発行者に鈴木忍とあったので、角川「俳句」を辞して後の新たな出発ということになる。慶祝。
ともあれ、いくつかの句を以下に挙げておこう。

   セーターより首出す夫の居ぬ国へ
   春の田や吾が嵩として水滲む
   戦神祀りて瞑し春の瀧
   膨らまぬ母のスカートつばくらめ
   一万字消しての一字寒昴
   並走の電車の遅速旱星




ダリア↑

0 件のコメント:

コメントを投稿