2017年12月23日土曜日

山田浩明「黒いレースの手袋に抱く邪(よこしま)」(第174回遊句会)・・


 一昨日は月に一度の遊句会(第174回、於:たい乃家)だった。兼題は「手袋・除夜の鐘・冬の海)、愚生は「冬の海」の句ができず、従って「冬の海」の句は出さず、当季雑詠で出句するワザにでたものの、その邪心が裏目にでてというわけでもないが、見事に一句も開かず、無点。二次会は、目出度いボウズにカンパイされた。愚生の選句は気付いてみれば、すべて「冬の海」の句をいただいていた。
 顧みて今年は、いわゆる俳人ではないが、俳句と宴席を楽しむ遊句会の面々に縁あって出合い、お蔭で有意義、かつ楽しい時間を過ごさせていただいた。深謝・・・。
 何はともあれ、みなさん恙なく良いお年をお迎え下さい。
 当日の一人一句を以下に挙げておこう。

  拉致(らち)の子に思い届けよ冬の海     石飛公也
  手袋や十指に余る懺悔(ざんげ)あり     村上直樹
  手袋や片割れ残り香仇情(あだなさけ)    川島紘一
  除夜の鐘未だ厨(くりや)は落ち着かず   原島なほみ
  しくじりと暮らすが人や除夜の鐘     たなべきよみ 
  五つほど身に沁みにけり除夜の鐘       武藤 幹
  拒みつつ誘いもしつつ冬の海         山田浩明
  寂しげや片手袋のアップリケ         橋本 明
  冬の海はるか向こうのさようなら      春風亭昇吉
  院の一声隠岐に静もる冬の波         渡辺 保
  望郷の水漬(みず)く屍(かばね)や冬の海 植松隆一郎
  強面のミトン姿に場が和み         中山よしこ
  冬の海騒ぐは人間ばかりなり         石原友夫
  冬の海ヤン衆不在の御殿かな         天畠良光
  手ぶくろの妻后(つまぎさき)美しみちのくの 大井恒行

欠席(番外)投句は、

  点盛りの無き句数へる除夜の鐘        加藤智也
  冬の海鬼太鼓(おんでこ)にのり波に踊る   石川耕治
  片方になりし手袋捨てられず         林 桂子

次回の兼題は、初句会・おでん・日脚伸ぶ(村上氏出題)。



               石飛氏持参の郁子の実↑ 


  
  
  
  
  
  

  

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