2019年12月9日月曜日

夏井いつき「野の枇杷のまぶし野の雲猛々し」(「夏井いつきさんとの夕べ」)・・


「件の会」の面々↑
左より山下知津子・細谷喨々・西村和子・橋本榮治
仁平勝・榎本好宏・井上康明

 
夏井いつき ↑


 本日は、夕刻より「第16回さろん・ど・くだん『夏井いつきさんとの夕べ』」(於:山の上ホテル)だった。当初の予定では黒田杏子との「師弟対談」が15分、その後を「夏井いつきのプロジェクト」と題しての講演の予定だったが、黒田杏子入院のため、急遽、夏井いつき独演会になった。とりわけ、第一次俳句甲子園の挫折、そして、第二次、第三次俳句甲子園へのストーリーは、興味つきないものだった。なかでも、夏井いつきが、俳句甲子園は、あくまで高校生の教育現場としてある、と述べたことには、ブレない姿勢が覗われた。逆転人生・・。




 黒田杏子の救急入院については、聖路加国際病院の細谷喨々が、2泊3日、明日には退院すると報告し、黒田杏子のメッセージ(上掲写真)を読み上げた。愚生は、最近「件の会」に出向いていなかったので(高野ムツオの講演以来)、仁平勝、西村和子、山下知津子、駒木根淳子などの面々には久しぶりに、まとめてお会いした。喨々の言うように、黒田杏子のたいしたこと無きを祈ろう。




 参加者のなかでは、関西から藤川游子に会い、久しぶりに遠山陽子をはじめ、酒巻英一郎一行の今泉康弘、表健太郎などにも会えた。また、芳賀徹、髙橋睦郎、後藤章、中西夕紀、佐藤明彦など、そして、一月号から3か月間、愚生が鑑賞文を書かせていただく「門」誌の鈴木節子、鳥居真里子には、門人の方々を紹介していただいた。
 ともあれ、夏井いつき『絶滅寸前季語辞典』(ちくま文庫)のなかから彼女の句をいくつか挙げておこう(カッコ内が絶滅寸前季語)。

   愛林日なり風にとぶ紙コップ    (愛林日・あいりんび) いつき
   清明やミドリ十字のはためける   (清明・せいめい)
   金魚玉磨く青空容れるため     (金魚玉・きんびょだま)
   寒紅売の身の上ばなし信ずるな   (寒紅売・かんべにうり)
   玄帝にしづかな水を捧げたり    (玄帝・げんてい)
   祖父の帳面に流黐の図解      (流黐・ながしもち) 
   童貞聖マリア無原罪の御孕りの祝日日和とはなれり
      (童貞聖マリア無原罪の祝日・どうていせいまりあむげんざいのおんやどりのいわいび)
       
夏井いつき(なつい・いつき)1957年、愛媛県生まれ。俳句集団「いつき組」組長。



撮影・染々亭呆人 ↑

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