2022年8月12日金曜日

大井恒行「秋暑し死に目はビデオコールにて」・・・


     (宿泊療養のホテルの窓から、これが外部との全風景)↑

 愚生は 8月2日(火)に発熱、翌3日の抗原検査でコロナ陽性。4日に府中市保健所に、介護もあり、隔離生活をしても家庭内に重病人がおり、感染させるリスクが高い。また、介護休業に入ってる娘にも、小生のこと、孫娘(5歳)の面倒などをすべてみるのは負担が大きすぎるなど、宿泊療養を相談。結果的には、重症化リスクの高い、愚生の高血圧・糖尿病、前立腺肥大などは薬でコントロ―ルできているかをかなり尋ねられた上で、翌日5日(金)にお迎えの患者専用タクシーが手配され、都内Aホテルに入所することができたのだった。

  守りたき一つのいのち夏の家     恒行

 ただ、その後の12日(金)までの宿泊療養満期までに、もしかしたら、妻の死に目に会えないのではないかということは脳裏を掠めた。結局10日(水)の夜中に亡くなるが、その朝の自宅訪問診療医によって、死亡診断書の時間は、10日10時51分と記載されている。子宮頸がんだった。俳号・救仁郷由美子、享年72.夜中に娘から携帯電話に、訪問診療医が早ければ一時間、もっても一日と言われたと・・。娘が携帯電話をビデオコールに変えてくれて、画面上で死に目に会えることにはなった。

 そして、娘と娘婿と息子夫妻が、葬儀社との連絡、葬式の打ち合わせなど、エンディングノートに記された妻の希望にそって(家族のみの告別式であったが、通夜はなかった)、結局、式のようなものは何もせず、通夜は、ゆかりある方々に開放し、お別れをしておもらうことになった(すべて娘の采配である)。

★大井家・通夜:来たる15日(月)18時~21時。於:府中市府中の森市民

聖苑 。

 お別れに際しては、おもてなしの何もありませんが、お別れは自由にお越しください。

 思えば、妻が最初に手術をしてから、足掛け7年の闘病。再々発後の昨年5月からは、抗がん剤、放射線治療も出来ず、治療を断念して、痛みなどの緩和ケアに入った。一度はホスピスに入所したが、コロナ禍の面会制限もあり、面会できない実の弟妹もいたので、余命は、最短、昨年末から年始と言われ、退院し、訪問診療による自宅療養に切り替えた。その後、一時は歩けるまでになったが、最終的には家で看取りを行うことを本人も強く望んだ。孫娘の顔が生きがいのようで、その後の延命はその力が大きかっただろう。
 8月8日は孫娘の誕生日だった。その時に食べた(少しだが)ケーキが、ものを口にした最後だったらしい。愚生は、閉ざされた病棟から(名は「和來(わこ)」)、

  和(なご)み來る六歳の絵図なごやかな   恒行

とラインでコピー用紙に書いて送った。


            


 また、本ブログの救仁郷由美子「安井浩司自選句集『友よ』を読む」は、4月24日の浩司「廻りそむ原動天や山菫」の句を最後に、残る2句「消えるまで沙羅(シャーラ)を登りゆくや父」「草露や双手に掬えば瑠璃王女」の句を、ついに書くことは叶わなかった。
 不覚の愚生は、本日午前、満期出所で、我が家に帰った。死化粧の救仁郷由美子は、普通に眠っているようで、実に不思議な気分だった。娘たちはその周りを、好きな孫と一緒の写真や枕花や本で、よく飾り付けてくれていた。有難う!! 合掌。


   夢に由美子に不在の秋の陽がのぼる     恒行



                撮影・救仁郷由美子↑

13 件のコメント:

  1. 由美子さんらしい(と私は思います)淡く、隠しきれない優しさを感じられる写真です。合掌。中西ひろ美

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  2. 救仁郷由美子さんの安井浩二句の評や論籍は、ただ我武者羅に読むだけでした。今後も見つけてはただ我武者羅に拝読します・・・。合掌―夏木久

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  3. 奥様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
    大井さんのご体調の方はいかがでしょうか?
    ご家族ご親族、くれぐれもご自愛くださいますよう。

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  4. 心よりお悔やみ申し上げます。
    以前より、介護の事はお聞きしておりましたが、奥様のお具合をお聞きするのも・・・と思っておりました。
    ご自身もコロナ陽性という事で大変な思いをされましたね。しばらくはいろいろとお忙しい事と存じます。お体に御障りが出ませんように、くれぐれもご自愛くださいませ。
    なつはづき

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  5. 由美子様のご冥福をお祈りいたします。
    筑紫様よりご様子は伺っており、案じておりました。スマホ越しとはいえ最期のお別れができたのですね。どうかお心落としのありませんよう、療養後のお身体をご自愛くださいませ。辻村麻乃

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  6. 恩田侑布子2022年8月17日 15:32

    西の空からの由美子さまのご訃音に接しました。心からお悔やみを申し上げます。いつもお優しい大井さまと、ご家族の皆さまの手厚い長年のご介護の日々に、さぞかし満足し感謝して旅立たれたことでしょう。コロナ前から山の中に引きこもっております私にとって、大井さまや救仁郷さまと楽しく交流させていただいたあの頃が、俳句のかがやくような青春時代でした。本当に良い思い出をありがとうございます。

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