覆刻版・虚子『喜寿艶』↑
昨日(11月12日)は、「玉藻創刊千百号/星野椿プラチナ卒寿 合同祝賀会」(於:品川プリンスホテル)だった。コロナ禍により、三年前から、中止に次ぐ中止、三年目の開催である。愚生にとっても、コロナ以後初のお祝い会への参加である。お互い、数年ぶりの、マスク顔とあっては、すぐには判然としないもどかしさの在ったものの、「豈」の筑紫磐井、池田澄子にも会えたし、仁平勝ともけっこう話ができた。愚生のテーブルは山田真砂年、本井英、原雅子、文學の森の松本佳子であった。他に、少しお話しできたのは(受付開始から2時間余り控室待機があったので)、星野高士、森潮、阪西敦子、秋尾敏、日野百草、仲寒蟬、井上弘美、中原道夫、永島靖子、広渡敬雄あたり、ほんの挨拶だけになったが小澤實、高橋睦郎、小川軽舟、今井聖、坂口昌弘、鈴木忍、奥田洋子、天野小石、鳥居真里子、伊藤伊那男、小暮陶句郎、名取里美、岸本尚毅、浅井民子、井上泰至、藤田直子、中尾公彦、工藤進など、結局、総勢約二百数十名のテーブル着席では、名簿を見ただけで、挨拶も叶わずに帰ることになった人も多い。愚生としては、先日、書肆山田の大泉史世を偲ぶ会にも出席されたという名古屋からの馬場駿吉に数十年ぶりに会えたのは嬉しいことだった。
ともあれ、「玉藻」11月号からと、覆刻版『喜寿艶』(鎌倉虚子立子記念館)から、任意にいくつかの句を挙げておこう。
二の酉もとんと忘れて夜に入りし 星野立子
草庵によくぞお越しや秋日和 星野 椿
はぐれてもどぜう屋で逢ふ一の酉 星野高士
子規の忌の野の果ての雨の果てのなく 〃
海女とても陸(くが)こそよけれ桃の花 高濱虚子
美しき眉をひそめて朝寝かな 〃
女よし男なほよし朧月 〃
鞦韆に抱きのせて沓に接吻す 〃
麦笛や四十の恋の合図吹く
闇なれば衣まとふ間の裸かな 〃
コレラ怖ぢて綺麗に住める女かな
どかと解く夏帯に句を書けととこそ
虹立ちて忽ち君のあるごとし
虹消えて忽ち君のなきごとし
浅間かけて虹のたちたる君知るや
其人を恋ひつつ行けば野菊濃し
蔓もどき情けはもつれ易きかな
うらむ気は更にあらずよ冷たき手
仮にきる女の羽織玉子酒
芽夢野うのき「君の言葉まだむねに桜紅葉しつ」↑
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