2018年12月2日日曜日
鹿又英一「たくさんの白鳥がゐてたいくつ」(第145回「豈」忘年句会)・・
昨日は、「豈」の第145回句会並びに忘年懇親会(於:インドール)だった。例年になく、「豈」同人以外の参加も多く盛会だった。事情で懇親会のみだった池田澄子、佐藤りえ、筑紫磐井、さらに懇親会解散最中に群馬からかけつけた北川美美は近くのサイゼリアへ二次会での合流となった。
ただ、「豈」句会としては、攝津幸彦急逝以来となった創刊同人・大本義幸(10月18日没)に黙禱を捧げて、句会の開会となった。最後の愚生の大本義幸の名を詠み込んだ句は、予想通りというべきか、見事に無点だった(残念・・)。
ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。
縄跳の輪の内側の平和かな 武藤 幹
恋済ませたる貌(かお)ばかり枇杷の花 堺谷真人
吉良は討たれた僕は化粧していた 川名つぎお
かりがねや人は揺れつつ窓を拭き 渕上信子
世界は端裂(はぎれ)鍵抜きわすれ 堀本 吟
幸彦・義幸
十月の忌日重ねて我ら老ゆ 筑紫磐井
きつちりと割勘の別れ霜柱 照井三余
ふとん干す戦争放棄せし空へ 飯田冬眞
黄金の国なり小さき熊手負ひ 篠崎央子
空あります瓦と炎と血の中に 今泉康弘
霜月や正座する猫泪めに わたなべ柊
帰り花猫背ながらも犬歯もつ 笠原タカ子
年の瀬や阿吽の妻と数学者 小湊こぎく
冬桜乱視眼鏡の中に咲き 羽村美和子
黒猫に露西亜の蚤や秋光る 網野シマ
凍星やサーカス団の虎の檻 伊藤佐知子
冬ざれやピンクの毬の浮かぶ池 千原櫻子
冬の弦月しんしんと冴ゆオノマトペ 銀 畑二
睡蓮の
ここの古江を
詠ひ捨て 酒巻英一郎
一目散!途中の橋の小六月 打田我者ん
行灯をひきはがされて種こぼす 妹尾健太郎
ショーケース姿見にして冬鴎 西川よしの
手袋の真下に開く福音書 妹尾 健
脳捌くゴッドハンドの首に管(くだ) 猫 翁
銀河船つるむやボヘミアン・ラプソディ 早瀬恵子
姫はじめ猫がなんだか大人しい 鹿又英一
草の絮か部屋の埃か判らぬ朝 椿屋実椰
大いなる本にあかりやよしと雪 大井恒行
撮影・葛城綾呂 散り敷く↑
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