今日は、隔月開催の「豈」第149回句会(於:白金台いきいきプラザ)だった。颱風襲来の予報もあったが、とりあえずは晴れ。以下に一人一句を挙げておこう。
濡れ縁だったり瑠璃蜥蜴だったり 羽村美和子
落雷が咬む映像の一刹那 笠原タカ子
夏草に深まる廃屋の自由 川名つぎお
偏平足寝釈迦の如くシエスタ 打田峨者ん
B4の夕立しかもモダニズム 山本敏倖
雲つかむ話何やら心太 杉本青三郎
蟬の爪穴を這い出てくる私 小湊こぎく
その蚊帳にどんなに入りたかつたか 渕上信子
不器量な金魚を値切る昼下り 福田葉子
部活終え三三五五のアキレス腱 早瀬恵子
踝に力瘤あり夏登山 伊藤左知子
日盛りのうつらや戯画に波の音 大井恒行
次回は、いつもの奇数月最期の土曜ではなく、会場の都合で、9月29日(日)、午後一時より、同場所で開催。どなたも参加自由です。
★閑話休題・・特集「『令和』の一句」(「俳句新空間」第11号)・・
「俳句新空間」第11号(発行人:北川美美・筑紫磐井、協力者・佐藤りえ)の特集は「『令和』の一句」、「新元号『令和』施行後はじめての一句をお寄せいただきました」とある。総勢44名の方々が寄稿されているが、本ブログでは紹介しきれないので、「豈」同人のみになるが以下に挙げておこう。因みに、「前号作品鑑賞ー平成三十年収穫帖鑑賞」は、もてきまり・小野裕三、両氏ともに犀利な批評眼が光っている。
仰け反れば令和の空や燕子花 夏木 久
令和初湯して聴くは弥次郎の大法螺 井口時男
そして令和卵の殻を重く剥く 山本敏倖
能天気令和元年時鳥 渕上信子
姿勢よき鶏の歩よ夏来る 飯田冬眞
松の芯令和の空気外苑に 坂間恒子
新緑を二人三脚のティアラ 神谷 波
たんぽぽやぽぽぽぽぽつと生きたいわ 田中葉月
暗君や阿部一族的令和 春 大井恒行
令和元年そぞろにやまと心かな 加藤知子
水使ふ令和の春の日数かな 秦 夕美
昨日より眉細く引く改元日 北川美美
令和元年五月一日
祝典や人の上には人おかず 堀本 吟
レ・イ・ワの折句として
礼尽くし井戸の中より鰐の王 髙橋修宏
春うらら戻れば戻る雛の道 神山姫余
思い出せぬ言葉あまたや初夏の空 福田葉子
持つところいくらかあつてドナウ川 佐藤りえ
若葉してみあらかに日の継がれたり 五島高資
陽炎の天にちぎれて野に遊べ 筑紫磐井
撮影・中西ひろ美 ↑
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