安井浩司第6句集『牛尾心抄』(端渓社・昭和56年6月15日刊)、著者「後記」に、
「牛尾心抄」と題した本書は、端渓社企画の句日記様式の要請に応え、それらしい準備ももなく突然に成立した私の六冊目の句集である。すなわち自分に課せられた条件は、一日二句、五十日をもって百句制作を完璧に実践することであった。(中略)
どうやら私も魂の難解な季節に入ったようだが、されば東洋詩人の先達たちが、わが現在の危うき年齢(四十五歳)の前後から、次第に霊的に上昇して行くことの意味が、少しづつ判りかけてくるのである。そんな前方に予感される霊的なものこそ、なぜかみな哲学を超え行くように思われ、私もまたかく導かれるらしいのだ。 (原文は正漢字)
とあるが、壮年の安井浩司の年齢をはるかにして、愚生は古希を過ぎ、偶然にも、この日、年月を経ていながら、曜日も同じ、3月12日(木)、「牛尾心抄」の句を剽窃しながら、安易にも、1日1句、もしくは安井浩司と同じく2句、50日の区切りをもって句作して行きたいと思ったのだ。嗚呼・・・さしずめ、名付けて「『牛尾心抄』40年後への剽窃譚」とでもしておこうか。
というわけで日々、安井浩司の句を、掲載通りの2句を記し、その後に、愚吟を添えて行きたいと思う。見開き2ページの表記通りに配し、そばに愚生の句を書く所以である。
三月十十二日 木曜日
國人(くにびと)破れて植える煙管となる竹を 安井浩司
暮春の壁にもたれる心の飛白なれ
朝晴 日中暖気
*「『牛尾心抄』40年後への剽窃譚」・・・
3月12日 (木)
煙管となる竹植えて国人に君が代に 大井恒行
もたれるは飛白の心暮春の壁
朝晴 陽気寒風
撮影・鈴木純一「ものの芽や声さきざきに届けかし」↑
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