5月21日(土)付、第37回・(メール×郵便切手)「ことごと句会」、雑詠3句+兼題一句「生」(出題・らふ亜沙弥)。以下に一人一句と寸評を挙げておこう。
蝌蚪に脚惑星移住計画中 渡邉樹音
近頃ね金魚か俺か生存競争 照井三余
たっぷりと筆に墨 春の一文字 渡辺信子
ソワール梅花空木と白磁の茶碗 金田一剛
紫蘭ほどの紫が好き生女房 らふ亜沙弥
ちゃんと生きろと言ってる和菓子 柏餅 武藤 幹
古書街の香るマロニエ交差点 大井恒行
★寸評・・・
・「生きて読む書の数見えて鳥雲に」ー哀しくも美しい句です。私は死後、三途の川で「もぉ、背中のリュックに何冊も本入れちゃって、舟が傾ぐやんかぁ」と鬼に言われたい(樹音)。
・「蝌蚪に・・」ーむかし、秋田の蒪菜沼を取材の折、一千匹もの脚の生えたおたまじゃくしが沼からぴょんぴょん逃げ出す光景に遭遇しました。沼のオーナーは、「うちの蒪菜は有機無農薬だあら、け(食え)というので、勇気を出して食べました(剛)。あらら、あのちっちゃな足でそんな計画を!?何度も音読したくなる心地よいリズムの句です(信子)。
・「近頃ね・・」ー金魚に餌を遣り乍ら、諸物価高騰などに思いを馳せて居るのか?(幹)。
・「たっぷりと・・」ーたっぷりと筆に墨、春の一文字が大きく見えます(杦森松一)。「一文字」の「一」を、いち、はじめ、、とかルビがほしかった(三余)。
・「ソワール・・」ー「梅花空木と白磁の茶碗」どちらも気品あり!正にボン・ソワール!!(幹)。
・「紫蘭ほどの・・」ー紫蘭の花の程度の色が好きと言っているのは、若い女性らしくて、濃紫、いや、もう少し深い色にならないところが魅力か。古女房でないところに初々しさが花にも現れているように感じられる(恒行)。
・「ちゃんと・・」ーなるほど、柏餅は和菓子だから和菓子という必要はない。一拍あける必要もない(編集室解説)。
・「古書街の・・」ー懐かしい神田の古書街、残念なことにマロニエの花の時期には行ったことがなく香る交差点も経験なし。古書街の名称が魅力的(亜沙弥)。
★閑話休題・・作品募集・第59回現代俳句全国大会(投句締切は8月1日)・・
■応募規定■
・投句料 3句一組・2000円、何組でも可。但し、未発表作に限る。「3組9句同時投句に限り、6000円を5000円にいたします」
・「前書不可」所定用紙使用。郵便番号、住所、氏名、電話番号、現代俳句協会員・会員外の別を明記。投句料は普通為替(無記名の定額小為替)、または郵便払い込み。
・送付先 807-0827 北九州市八幡西区楠木2-6-12 現代俳句協会全国大会事務局・福本弘明 宛、電話093-602-6058
・締切 来る8月1日。
・全国大会 令和4年11月12日(土)午後1時から、JR九州ステーションホテル小倉 北九州市小倉北区浅野1-1-1 093-541-7111
記念講演・平出隆 「蕪村を中心に」
懇親会 午後5時より(会費6000円)
芽夢野うのき「十薬やお世話になります死後もまた」↑
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