2022年5月26日木曜日

高野芳一「夏蝶へ窓あけ放つ路地のカフェ」(府中市生涯学習センター春季講座「現代俳句」第4回)・・


 本日、5月26日(木)午後2時から、府中市生涯学習センター春季講座「現代俳句」第4回、緑風が吹く気持ちの良い日だった。雑詠2句。少しの空き時間は、俳句の歴史のうち、戦後俳句の出発からを少し話した。句については、愚生は生徒に追い抜かれては歩いている感じ。ともあれ、以下に一人一句を挙げておこう。


  「ただいまー」と立ちこぐ背なに若葉風      高野芳一

  群雀おしゃべり止まず日永し          壬生みつ子

  はじき豆土塊(つちくれ)割ってひょいと出る   井上治男

  世はきしみレクイエム聴く五月闇         中田啓子

  やご二匹右往左往で暮れにけり          寺地千穂

  (ちゅ)ら海や不戦を誓うわだつみに      清水正之 

  月かくれなほ芳しや梔(くちなし)のはな     濱 筆治

  初夏の葉擦れやさしい子守歌          久保田和代

  ごっつんと朝のあいさつ蟻の列          井上芳子

  青楓山門の朱のうごめきぬ            山川桂子

  石蕗を庭へと移し墓じまい           泰地美智子

  夏蝶や呪文のような声を聞き           大井恒行


 次回、6月16日(木)は、春季講座最終回、府中市美術館、府中市生涯学習センターの近辺を散策したのちの、嘱目吟2句が宿題である。


       撮影・中西ひろ美「心身によろしかるらん樟の花」↑

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