2022年5月16日月曜日

森須 蘭「あめんぼう明日はいつも目分量」(「祭演」65号)・・

  


 「祭演」65号(ムニ工房)、特集は、森須蘭の第4回口語俳句作品大賞受賞作「木のベンチ」と 成宮颯の第三次ノミネート作品「深海魚」。論考は、藤田踏青「『連星の輝きー第四回口語作品大賞』寸感」、田中信克「『木のベンチ』と『深海魚』:進行形の魅力」、萩山栄一「ファンタジー俳句の可能性ー森須蘭氏の俳句の魅力」である。他に招待席に、つはこ江津「ぽこぺん」。その藤田踏青は、第4回口語俳句作品大賞受賞について、


 昨年の杉本青三郎氏に続き、主催の森須蘭氏が大賞を受賞、「祭演」にとっては連星の輝きである。つまり、同人誌である「祭演」では、同人それぞれの句風の輝きがあり、それが連星のように更に輝きわたるということである。


 と記している。ともあれ、ここでは、招待席作品、また「豈」同人(元「豈」同人も含む)でもある一人一句を紹介しておきたい。


  読みさしの本にしおりの枯野かな     つはこ江津

  赤い靴焼くなら冬のいつがいい?      伊東裕起

  風上にまわれぬままに涅槃西風       川崎果連

  涸れ川の青きしらべを空におく      杉本青三郎

  病む右目庇う左目沈丁花          成宮 颯

  揚げ雲雀明日を意識する姿勢        森須 蘭



       撮影・鈴木純一「緑蔭や咎められるも嬉しげに」↑

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