「俳句界」3月号↑
「門」5月号(門発行所)、「門」名誉主宰・鈴木節子の訃が届いた。つい先日、卒寿を迎えられ、お祝いをされたたばかりだった、という。それにしてもブログタイトルにした句「われが灰になる日桜乱舞せよ」は、彼女らしい予知だったかもしれない。愚生は、これまで、「門」の創刊主宰・鈴木鷹夫と夫人の鈴木節子には、いくつかの想い出がある。また、毎月の「門」誌のみならず、其角の小説をはじめ多くの著作を恵送にあずかった。先日も「俳句界」3月号(上掲写真)の「俳句は境涯の詩」特集で、偶然に見開きページで愚生と隣り合わせになったことで、便りをいただいていた。愚生の筆不精、怠惰のせいで、その返信を一日伸ばしにしていたのが悔やまれる。元気なご様子だったので、まさか訃を聞くとは思わなかったのだ。言葉もない。今はひたすら、ご冥福を祈るのみである。
鈴木節子(すずき・せつこ)1932年4月29日~2022年5月8日、享年90。虚血性心疾患。葬儀は近親者のみで行われる、という。合掌。
ともあれ、本誌本号より、以下に一人一句を挙げておきたい。
万の忌日のおぼろ三月果つるかな 鈴木節子
絶妙な浮橋この世のナミアゲハ 鳥居真里子
死すあとも愚弟賢兄春の虹 野村東央留
寄るほどにくすぐつたいぞ猫柳 小田島亮悦
いつかわが柩寒萬月の黙 成田清子
探梅の風くぐるとき目を閉づる 大隅徳保
パソコンの遠隔操作鳥帰る 長浜 勤
根こそぎの雪折にして逆しまに 石山ヨシエ
なにかしら掴みさうなるシクラメン 梶本きくよ
天秤の片下がりして狐の火 石丸和雄
本音です鵙の喉赤黒い 村木節子
音にしてもいちどふゆのはなわらび 島 雅子
全身に青がたりない冬の川 中島悠美子
芽夢野うのき「山のあなたの修羅をみつくし山法師」↑
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