2014年5月12日月曜日

短歌には青春が似合う・・・


千葉聡著『今日の放課後、短歌部へ!』(角川学芸出版)の付録にあるのが穂村弘・東直子・千葉聡の座談会「短歌には青春が似合う」という題である。本著をひとくちに言ってしまえば、歌人にして高校教師の千葉聡こと、〈ちばさと〉先生の学園奮闘記である。

      好きだった世界をみんな連れてゆくあなたのカヌー燃えるみずうみ   東 直子
      終バスにふたりは眠る紫の〈降りますランプ〉に取り囲まれて       穂村 弘      
      台風が近づく夜更けペンをとる 僕は闇でも光でもない          千葉 聡

  
ちばさと先生が戸塚高校にいた5年間、残念ながら短歌部はできなっかたという(中学校先生時代の著書『飛び跳ねる教室』もあるが、それは愚生は読んでいない)。しかし、短歌部はできなくても同校赴任直後、バスケット部の副顧問になるや、素人のちばさとバスケット部顧問はよく奮闘した。あれやこれや何気なく読み始めたこの本だったが、一気に読み終えてしまった(ときに涙腺がゆるんだ)。
それにしても、ちばさと先生は作曲もできるし、歌も唄える。もちろん短歌も即興で作ってしまうし、なかなかに多才なのである。落ちこぼれに等しかった愚生にはまぶしいばかりの奮闘記(奮闘する根性も持ち合わせていない愚生とは人生も違ってきて当たり前か・・)。
そうだ! こういう先生がいれば、まだまだ学校も捨てたものではない、と思わせる。
(学校教育など、何も信じてこなっかた愚生にはちょっと苦い自省の念が・・・なんてね・・・)。

もったいなくも恵まれた著書だが、愚生には、たぶん、歌人・千葉聡に面識はないと思う(あるいは、どこかでお会いしてして失礼しているのだろうか)。略歴によると短歌誌「かばん」会員とあるから、かつて同誌村長であった中山明や編集をしていた高柳蕗子などとの「かばん」つながりによる恵送だろうと思う。まことに有難うございました。深謝!



*閑話休題
昨年まで4年間、保存修復工事が行われいた朝倉彫塑館(日暮里)を改装後はじめて訪ねた。朝倉文夫生前の姿に近づいたという彫塑館はよく整備され、見学するにも行き届いて、改めてみた庭には車輪梅が咲いていた(彫塑館内では撮影禁止、下の写真は愚生散歩途中の車輪梅)。
朝倉文夫は1883(明治16年)大分県生まれ、1907年には台東区にアトリエを構えて、1928(昭和3)年から7年の歳月をみずから監督、設計したのが原型だという。1948(昭和23)年、彫刻家として初めて文化勲章を受章、1964(昭和39)年、81歳で没した。
 

                                         シャリンバイ↑

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