沖縄忌は、6月23日、本土より早く、本土決戦前に米軍に占領され、沖縄戦が終結した日で沖縄慰霊の日とされている。
榎本好宏句集『南溟北溟』(飯塚書店)の「あとがき」に、
父は昭和十八年、アリューシャン列島のアッツ島で戦死している。叔父はと言えば、終戦間際の沖縄で亡くなった。両方の戦とも、玉のように美しく散る意の「玉砕」なる美辞が冠せられた。
と記されている。榎本好宏は昭和十二年の生まれだから、今でいえば小学生に上がったばかりの年頃である。
「おりしも今年は終戦から70年」。ついにさきの戦争の後遺を生きている著者がいる。
いくつかの句を以下にあげておこう。
氷柱垂るこの橋に兵送りしよ 好宏
わたしらに永井隆よ八月よ
暦繰ることの気怠さ八月に
干菜吊る誰も還らぬ日本海
畦を塗るシベリア還りとも呼ばれ
その他の感銘句をいくつか・・
水馬なんにもしない日の大事
虫干しや今年も母のもの捨てて
聞き耳を立ててもはろか秋祭
海に掌を合はす三月十日けふ
死者に沓履かせて麻の衿合す
数え日の話したりなき母帰す
ツルニチニチソウ↑
0 件のコメント:
コメントを投稿