2015年3月4日水曜日
大本義幸「死者はみな君の記憶を徒歩(かちわたる)」(俳句新空間no.3)・・・
めでたく「俳句新空間」no.3が出た(「豈の会」発行・発行人、北川美美・筑紫磐井)。ーBLOG俳句空間媒体誌ーということになっている。本誌「俳句空間ー豈」よりも、発行ペースが少し早いので、やがて追いつかれそうである。とはいえ、愚生の命の方がたぶん一足速いだろうなぁ・・。
参加者86名とは、すでに本誌「豈」を凌駕している(めでたい)。
全員の句を紹介したいが、それは無理なので、「平成二十七年新春帖」から一人一句を以下にあげておこう。
こっちとそっちのこがらしごっつんこ 網野月を
ほ、ほ、っ君は螢ホスピタル 大本義幸
ぽっぺんのぽっぺんと鳴る夕べかな 神谷 波
風花の神主一行橋わたる 坂間恒子
醜の秋手の鳴る方へ行きたがる 鬼房
四方の手を鳴らされ鬼の身の裂ける 佐藤りえ
国破れても滅びても若菜摘 仲 寒蟬
雪女吾をひきかへに山下りぬ 中西夕紀
餅花を定座に風をいざなへり 秦 夕美
春の夜の山川呉服店点る 福田葉子
冷たしよ草の青さもその丈も ふけとしこ
原罪にまぎれ込みしが猫じゃらし 堀本 吟
ショベルカーブルドーザーに風花す 前北かおる
人に添ふ冥きところに雪降り積む 真矢ひろみ
きぶくれて国の自壊の音の中 もてきまり
ねがはくば花のしたにて春死ん そのきさらぎの望月のころ
手術中の灯は消えドアが二月尽 夏木 久
初鏡切株も宇宙も 谺 豊里友行
一流であつてはならぬ俳の道 筑紫磐井
重詰の中は仕切られ都かな 北川美美
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