小暮陶句郎第二句集『陶冶』(朔出版)、第一句集『陶然』からすでに16年以上が経過し、第二句集として纏められたのは、平成15年から23年、つまり、結社誌「ひろそ火」を創刊するまでの8年間の作、331句を収載している。ということは、近いうちに、今後もさらに句集刊行の予定があるということだろう。「あとがき」には、
(前略)そのように大きな変化のあった八年間。それは私にとって「陶冶」の時代でもあった。仲間と共に見つめた四季の移ろい。本当に密度の濃い時間のなかで詠み続けてきた俳句を、このようにまとめることが出来たのは望外の喜びである。もちろん、題材としてはライフワークの陶芸や実行委員長を務める夢二忌俳句大会のことなども多く反映されいる。
と記されている。ともあれ、愚生好みに偏するが、以下にいくつかの句を挙げておこう。
唇の動けば歌留多飛んでをり 陶句郎
指先も笑ひさうなる福笑い
涅槃図の巻き残したる象の足
蒼空にまだ負けてゐる花の山
皮脱ぎて極彩色の竹となる
あかがねとなりし太陽夕凪げる
黴の香の陶土火の香の登り窯
潮傷みしたる日の丸秋の航
高原の風の尾掴む草紅葉
啄木鳥の使ひ果たせる森の音
もう踏まれ馴れたる落葉道の音
小暮陶句郎(こぐれ・とうくろう)昭和36年、群馬県渋川市伊香保生まれ。
夢二の港屋 ↑
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