第26回・ことごと句会(2021年6月20日付け・切手句会)、本日の関東は本各的な梅雨模様、荒梅雨である。予報では明日も降り続くらしい。ともあれ、以下に、一人一句と各句の寸評を挙げておきたい。
ヨットぽつんと落款になりすます 江良純雄
咲き登る女の空や立葵 渡辺信子
青林檎いま打って出るアイデンティティ― 武藤 幹
毛虫焼く父の遺伝の左利き 渡邉樹音
狂わずに狂った振りの蚊喰鳥 らふ亜沙弥
身の丈の春より夏の穴を掘る 照井三余
それなりの狂ひ花なり河骨は 金田一剛
梅雨空をかすめゆきたる白き鳥 大井恒行
・樹音「分校の地球儀に罅やませ吹く」ー地球儀の罅に様々ことを語らせて。過疎、少子化、教育予算・・・やませが効いていると感じました(信子)。ーノスタルジックな昭和の風景を想うが、現世界への予言でもあったか!?(幹)
・「ヨットぽつんと・・」ーヨットハ―バーというよりは、セーリング中のヨットであろう。両眼が捉えた海の風景の中、ぽつんと落款のように!(幹)。ー広い海のヨットが落款になる。それだけで詩です(樹音)。
・「咲き登る・・」ー立葵が空を突き破るように咲いている景に、女性の思いを重ねた。空をも支配する女性の強さに圧倒されながら・・・(純雄)。
・「青林檎・・」ー中七・下五の意表をつくフレーズ。青林檎そのもののアイデンティティでもあるだろう。時事句でもある(恒行)。
・「毛虫焼く・・」ー左利きは遺伝かなぁ。然し季語には参った!(亜沙弥)。
・「狂わずに・・」ー蝙蝠は鳥類であhないから確かに飛び方が下手です。あのぐらぐらの飛び方で蚊を捕らえている・・・(剛)。
・「身の丈の・・」ー剛さん、特選に採っているのだから、一言コメント欲しいなぁ・・。たしかに中七「春より夏の」は考えさせるよ。悪くない句だと思うけど、説明しづらいので敬遠されたかも知れません。でも、不思議な魅力ありです(恒行)。
・「それなりの・・」ーたしかにそう思わせる風情が河骨にはある。それが措辞「それなり」か・・(恒行)。
芽夢野うのき「何かの間違いだろうタンポポのわたげ」↑
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