2021年10月6日水曜日

黒田杏子「天心に寂光の月後の月」(「藍生」10月号)・・・


「藍生」10月号(藍生俳句会)、特集は、「『証言・昭和の俳句』増補新装版」、執筆は、井口時男「無私と自由と」、筑紫磐井「『証言・昭和の俳句 』の証言ー『証言・昭和の俳句』は『史記』たり得るか」、齊藤愼爾「『証言・昭和の俳句』散策」、黒田杏子「増補新装版 あとがき」。そして、黒田杏子「『証言・昭和の俳句』増補新装版」の中に、


 (前略)「黒田さん、そりゃ無茶ですよ」と言われた大冊が只今重版(二刷)に向って驀進中。「類書がない」「最高の入門書」「俳壇史即ち現代史」などとのご評価を頂き、なんとすでに全国百二十の主要図書館に収蔵もされました。

 このたびは、第二部として、活躍中の男女二十名の書き手の方々に書き下ろしの原稿(四百字十枚四千字)を頂いております。ここに三名の方の玉稿を転載、特集としてご覧頂くことと致しました。


 というわけで、本書を未だ未読の方は、本誌「藍生」といわず、是非手にとられたい。


 ここでは、黒田杏子「あとがき」の結びを、紹介しておきたい。


  いまさら、私があらためて記すまでもなく、俳句・HAIKUをめぐる状況は二十年前とは信じられないほど大きく変わってきています。HAIKUは世界語となりました。

 パンデミックのさなか、二〇二一年の終戦日、八月十五日に世に出る新しい『証言・昭和の俳句』全一巻・増補新装版がおひとりでも多くの皆様、読者に迎えられることを希い、祈っております。


 ともあれ、本誌「藍生」本号よ、黒田杏子の句と「藍生集」巻頭から6名の方の一句を以下に挙げておこう。


     七月十七日夜、栗島弘さん永眠

  句狂人栗島弘雲の峰         黒田杏子

  梅雨の月彼の世の母と同い年    今野志津子

  香港を梅雨の暗雲覆ひつゝ      加治尚山 

  ひらき継ぎ散り継ぎ幽き沙羅の花   深津健司

  花茣蓙や古謡を歌ふ祖母の膝    渡部誠一郎

  長梅雨や庭石を踏む何物か      半田良浩

  消息の不明な詩人ねむの花      秋山博江 


        

        FB夜窓社からのスクリーンショット↑


★閑話休題・・・ワイズ出版岡田博さん追悼。新文芸坐、10月11日(月)レイトショー20時開映:追悼・岡田博「銀幕に刻まれた映画への想い【無頼平野】」・・・


●無頼平野(1995/99分/35mm)

  監督:石井輝男 出演:加勢大周、岡田奈々、佐野史郎 ©1995ワイズ出版

  ・レイトショー 開場19:40 開映20:00

   於:新文芸坐(池袋駅から徒歩3分)

     指定席一般1300円、学生・友の会シニア1100円。




影・鈴木純一「3センチほどのキマダラカメムシに15ミリメートルの魂」↑

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