「儒艮」(JU GON)14号は特集・久保るみ子。他は久保純夫の「石垣島句日記4」(第五回 二〇一四年一〇月二五日~一一月一日)。毎日、50句以上を書き留めている。今回の総数は575句と記してあった。愚生の10年間分くらいを一週間もたたないうちに仕上げるのだから、ほとんど自動記述に近いのだろう。読む方は少し力を抜いて読まないと狂ってしまいそうだ。有季定型こそ、いや定型こそ自由の源泉というべきか。加えて、他にも「櫻・MANDARA・木蓮ー二〇一五年・津山」と題して140句以上・・・。
なにより、今回は、久保純夫が先立たれた妻の久保るみ子(2011年没)100句を二冊の句集『さふらんさふらん』『美しき死を真ん中の刹那あるいは永遠』(久保純夫との共著)から選び。さらに、句集未収録句を補遺として、新・久保るみ子の100句を選んだ。加えて、久保るみ子俳句英訳集(英訳された句はもちろん久保純夫の句、写真撮影されたノートも併載)。
英訳された句では久保純夫「戦争の真空をゆく蝸牛」は佳吟、「子に語る子の物語アマリリス」「天空の愛とは知らず七竈」の両句は切ない(愚生は英語は不知)。
以下は新・久保純夫が選ぶ久保るみ子100句「補遺」。
天空の声やわらかくななかまど るみ子
凌霄花微熱を先に絡ませて
太陽を青きといいて鳥帰る
天の川舟の心地は質されず
絶巓を迷っておりぬ時計草
別の手に乳房を預け紅芙蓉
無月かな鍵穴にさす別の鍵
残りしは祷ることから龍の玉
ヒルガオ↑
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